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2024年4月25日【ESG】

ブレンボ、再生可能エネルギー使用率75%を達成

坂上 賢治

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ブレーキシステムのブレンボS.p.A. は2023年、完成品の単位あたりCO2排出量を9.5%削減。再生可能エネルギー電力の使用率は過去の水準を超える75%に達し、特にブレンボグループが事業拠点を置くイタリア、メキシコ、ブラジルでは再生可能エネルギー使用率100%を実現した。( 坂上 賢治 )

 

これを踏まえて同社は、3つのESG領域(環境・社会・ガバナンス)に於ける活動や成果を説明したサステナビリティ報告書2023年版をブレンボ公式ウェブサイトで公表した。

 

ブレンボの最高CSR責任者、クリスティーナ・ボンバッセイ氏はサステナビリティ報告書の公表にあたって、「価値の創造とサステナビリティの推進や成長の持続を同時に成り立たせることは、当社のようなグローバルメーカーにとって複雑な課題です。

 

だからといって私たちの決意が揺らぐことはありません。自らの成果が自らを鼓舞し、もっと上を目指そうと思うのです。

 

私たちは、私たちの事業のあり方によって世界の事業拠点地域に変化をもたらすことができ、また、そうしなければならないと確信しています。環境や社会に対する意識が高まる中、有意義で具体的、なおかつ透明性の高いサステナブルな行動を取ることが、すべての企業に求められています」と述べた。

 

なお同社のサステナビリティ報告書2023年版では、プロセスや製品の循環性を高めるための天然資源管理に関する取り組みを新たに取り上げている。ブレンボでは特に、水の回収と、加工残材や屑鉄などの二次原材料の活用を目的とした対策の導入を進めている。

 

このほか、ブレンボグループでは、生産工程で生じる廃棄物の回収にも注意を払っている。具体的に2023年は全体のおよそ88%に相当する44万トン超の廃棄物の回収を進めた。

 

グループの持続可能な成長に於いては、世界15カ国、総勢1万5,600人を超えるブレンボのグローバルチームが関わり、画期的なプロジェクトを提案することが奨励された。毎年、優れたアイデアにはブレンボ サステナビリティアワードが贈られ、5回目となる2023年には57件のプロジェクトが提案されたとしている。

 

同社では、この他、サプライチェーンへの積極的な働きかけにも注力。2023年には、サプライチェーンの脱炭素化を加速させるために、グループ全体のイベントとして「ネットゼロ・サプライチェーンワークショップ」を開催。およそ300社の主要サプライヤーが参加した。

 

更に2023年には、環境への取り組みが評価されてCDP(旧Carbon Disclosure Project)から気候変動対策および水資源管理におけるグローバルリーダーと認められ、両カテゴリーでA-のスコアを獲得した。

 

またブレンボはこの数年、地元NGOとの善意の連携を通じて、世界中で複数の社会プログラムを立ち上げてきた。その中でも長く続けられているのがインドでの「House of Smile(笑顔の家)」プログラムである。

 

これは同国の中心拠点と3つのマルチサービスセンターに教育、精神的サポート、医療、職業訓練を受けられるスペースを設け、2017年の開設以来、プネ―郊外で深刻な社会的弱者として暮らしている女性や子どもたちも含めて5,000人を超える利用者を温かく受け入れてきた。

 

ブレンボでのこうした計画的なサステナビリティ活動の歴史は古く、具体的な対策を講じて具体的な成果をあげてきた。1999年には現在のサステナビリティ報告書の前身である無形資本報告書の初版を発行し、正式に公表。

 

サステナビリティ報告書も今回で第9版となる。また2018年には、国連「2030アジェンダ」とその17の持続可能な開発目標(SDGs)への賛同の意思を表明した。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。