デンソーと富士電機は11月29日、共同申請した「半導体の供給確保計画」が、経済産業省より認定されたことを発表した。同計画は、両社が、炭化ケイ素(SiC)パワー半導体に関する投資および製造連携を行い、供給基盤を整備・強化するもの。
デンソーは、これまで電動化の進展を見据えてウエハや素子、モジュールからインバーターに至るまで、高品質・高効率を実現するためのSiC技術を総合的に開発してきた。また富士電機は、パワーエレクトロニクス機器の高効率化や小型化に貢献するSiCパワー半導体素子の開発から量産まで一貫した体制を備えてきた。
今後、両社は車載分野における両社の製品開発力と生産技術力を生かし、広く国内のSiCパワー半導体の効率的かつ安定的な供給能力拡大に向けて連携していく構え。
両社では、「パワー半導体は電力を効率良く供給するために欠かせない製品です。脱炭素社会の実現に向けて自動車の電動化が加速する中、電動車に必要不可欠なパワー半導体の需要が急速に高まっています。
SiCパワー半導体は、従来のSi(シリコン)よりも、高温、高周波、高電圧環境での性能が優れていることから、BEV(バッテリー電気自動車)向けシステムをはじめとしたパワーエレクトロニクス機器の電力損失低減、小型・軽量化に大きく貢献するとして注目され、需要拡大が期待されています。
今後は、この度の連携を通じて、国内の半導体安定供給体制の構築に貢献し、半導体業界および自動車業界の国際的な競争力向上に寄与するとともに、脱炭素社会の実現を目指していきます」と述べている。
<認定された供給確保計画の概要>
事業者名:
株式会社デンソー
富士電機株式会社
事業総額 :2,116億円(最大助成額:705億円)
生産場所 :
株式会社デンソー/ 大安製作所(SiCウエハ)、幸田製作所(SiCエピタキシャルウエハ)
富士電機株式会社 /松本工場(SiCエピタキシャルウエハ、SiCパワー半導体)
内容 :SiCパワー半導体の国内における生産能力強化