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2022年12月26日【企業・経営】

日野、新執行体制を公表

坂上 賢治

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「一緒に考え一緒に走る・みんなでクルマを作る」体制の構築へ

 

日野自動車は先の10月7日に公表した「3つの改革」の実現に向け、2023年2月2日付の執行体制(組織体制・役職制度)を今月12月26日に決定した。

 

 

それによると先の「3つの改革」の推進に向けた新体制の実現に向けて、今回の認証不正問題を猛省した上で、これまでの全ての「当たり前」を見直しゼロから組織体制へと再構築するとした。

 

具体的には、組織風土改革に併せて機能を超えて関係者が目的を共有して「一緒に考えて一緒に走る・みんなでクルマを作る」体制を実現させる。更に人財尊重、顧客・社会に貢献する共通認識を持った企業風土を醸成していく。

 

(1)これを踏まえ新執上の行体制では、「行き過ぎた上意下達」「セクショナリズムの広がり」「スピード感のある課題推進が出来ていない」組織風土から脱却するため「人財育成に資する組織」「皆がお客様や社会と向き合い貢献意欲を感じながら全力でクルマづくりをする組織」「ムダな仕事を減らし素早い意思決定を行うだけでなく自律的に考え判断する組織」を構築していくとした。

 

そのために事業軸と機能軸の組織構成とし、各機能を事業ユニットで横串を刺してPO(プロダクトオーナー)を中心にクルマづくりの川上から川下まで一貫して顧客に向き合う体制とする。

 

なおPOは従来の製品開発中心の役割から、事業収益も考慮した商品企画から参画し、開発、生産、販売、顧客を支援する全ての工程に関わり、適切な法規対応も含めて事業オーナーとしての役割を担え。

 

併せて本部/領域制を廃止して組織の階層を削減。各機能に CxO(各機能・役割における責任者。Chief Officer)、または機能長を設置するなどで責任者を明確化・意思決定の迅速化と権限委譲を進める。

 

これにより社会に貢献できる良い商品を作る共通目的の下、業務のムダの排除と素早く自律的に考え判断する組織を目指す。一方で室長ポジションの再設置を実施して社員一人ひとりに寄り添う風土を醸成していく。

 

組織体制概略図は以下の通り

 

(2). CTrO、および専任組織の設置
「3つの改革」を含む全社課題を強力かつ確実に断行するため、CTrO(Chief Transformation Officer)と専任組織を設置。改革プログラム全体の推進管理、事業・機能を横断する課題の調整や、各担当部署にて進め、「改革施策」のフォロー・サポートを行う。

 

(3). 専務役員、CxO、機能長人事 (2023年2月1日付)
3−1) 専務役員の体制(以下敬称略)
職 位/氏 名
専務役員/仙波 洋
専務役員/山手 昇
専務役員/通阪 久貴
専務役員/山敷 恵
※上記 4名の専務役員は再任。※現 専務役員の松岡 茂裕、渡部 雅成は2023年1月31日付で任期満了により退任予定。

3−2) CxO、機能長体制
ユニット・機能/役職____________/氏名______/現担当
  ー    /CEO(Executive)/小木曽 聡/代表取締役社長
__内部監査___/機能長____________/吉田 憲生_/DCCO

 

 

 

<以下は参考>
旧組織体制概略図

 

最後に日野では「先日、タイの Charoen Pokphand Group(CP)及びトヨタ自動車株式会社から、タイにおけるカーボンニュートラル実現に向けた協業の検討について公表されました。

 

日野製品のお客様でもあるCP社及び、この検討に参画するCommercial Japan Partnership Technologies株式会社への出資企業の皆さまから、今回のタイでの取り組みに当社が参画する事をお認め頂きました。

 

頂いた機会を真摯に受け止め、日野ブランドを育てて頂いたタイの皆さまに恩返しするべく、また、この取り組みに貢献し少しでも信頼を頂くべく、早急にこの取り組みの推進に向けた体制を整え精一杯取り組んで参ります。

 

まずは経営層を筆頭に一人ひとりが意識と行動を変え、世の中から必要として頂くための取り組みを愚直に推進していく事が大前提であると認識しています。

 

改めてしっかりとステークホルダーと向き合い、足元で関係各所へお掛けしているご迷惑の影響最小化並びに「3つの改革」の推進に努めて参る所存です」と話している。

 

日野掲示の関連リンク:【公表情報一覧】エンジン認証に関する当社の不正行為および「3つの改革」について

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。