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2024年3月29日【事業資源】

ASRA、NEDOの先端SoCチップレット研究の開発先に

坂上 賢治

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同日には、スズキと日立アステモもASRAへの参画が発表される

 

ASRA( 自動車用先端SoC 技術研究組合 / Advanced SoC Research for Automotive )は3月29日、NEDO( 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 )の委託事業公募で、SoCに係る委託先として採択されたと発表した。また同日に経産省にも同事案の採択決定が掲載されている。( 坂上 賢治 )

 

その具体的内容は、ASRAがNEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業 / 先端半導体製造技術の開発( 委託 )」の公募に際して「先端 SoCチップレットの研究開発」を提案。その結果、委託先として採択されたもの。

 

なおASRA( Advanced SoC Research for Automotive )とは、自動車メーカー・電装部品メーカー・半導体関連企業の当初12社で設立( 12月1日付 / 弊誌関連記事URL )した高性能デジタル半導体( SoC / System on Chip/ システムを実行の演算・処理・記憶等の複数機能を統合した半導体 )の車載化研究開発を行う「自動車用先端 SoC 技術研究組合」を指す。

 

そんなASRAは、開発した自動車用SoCを来たる2030年以降の量産車へ搭載することを目指している。

 

今回の「先端SoCチップレットの研究開発」でASRAは、自動車の更なる知能化・電動化を支える車載ハイパフォーマンス・コンピューターの実現に向けて、データセンターなど民生半導体での実績がある 「チップレット技術( 機能毎に分割した微細なチップを組み合わせて一つのチップとして拡張性を拡大する技術 )」を車載SoCに応用する研究開発に取り組む。

 

但し、SoCの車載応用には、車載固有の安全・信頼性を確保するべく機能安全対応や熱・ノイズ・振動への対応、リアルタイム処理などの課題を解決する必要がある。

 

そこでASRAは、自動車メーカーと半導体業界のECU・SoC・EDAベンダー( 半導体の設計を自動化するためのソフトウェアやハードウェア )を繋ぐ共同研究体制により、チップレット技術の車載への応用を確立させ、開発したSoCを、2030年以降の自動車へ量産適用を目指していく構えだ。

 

なお同発表と同じ3月29日、自動車メーカーの「スズキ」と、自動車部品製造の「日立Astemo」がASRAに参画( 3月28日付 )することも併せて明らかにされた。これにより参加企業は発表同日を以て14社となった。ちなみに日立Astemoでは、「今後、種類の異なる半導体を組み合わせるチップレット技術を適用した自動車用 SoCを研究開発し、2030年以降の量産車への搭載を目指します」と話している。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。