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2022年8月3日【事業資源】

ホンダ、F1エンジンの供給支援を2025年まで延長

坂上 賢治

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本田技研工業とFIA(国際⾃動⾞連盟)フォーミュラ・ワン世界選手権(以下F1)に参戦中のレッドブル・グループ(Red Bull Group)は8月2日、双方の協議に基づきレッドブル・パワートレインズ(Red Bull Powertrains)へのF1パワーユニット(以下、PU)の供給支援を2023年から2025年まで延長する事を発表した。( 坂上 賢治 )

 

これにより本田技研工業傘下の株式会社ホンダ・レーシング(以下、HRC)は、レッドブル・グループ傘下で、F1用パワーユニットを手掛けるレッドブル・パワートレインズ(以下、RBPT)を介して引き続き、F1参戦チームの「オラクル・レッドブル・レーシング(Oracle Red Bull Racing)」と「スクーデリア・アルファタウリ(Scuderia AlphaTauri)」へのF1用PUの供給を続けて行く。

 

 

ちなみに本田技研工業のF1参戦活動自体は2021年シーズンで終了。既にF1に関わる開発リソースは、将来のカーボンニュートラル実現に向けた活動に移行済みとなっている。しかし本田技研工業では、今回のF1支援の内容はPUの開発を伴わないため、HRC内のリソースで対応可能だと判断したと言う。

 

この合意を受けてレッドブル モータースポーツアドバイザー ヘルムート・マルコ氏は、「これからも一緒に戦っていきたいという私たちの要請に対して、ホンダがいい形で応えてくれた腰を本当に嬉しく思っています。

 

ホンダのPUで2025年シーズンまで戦い続けられる事はとても心強いです。我々はここまで素晴らしいパートナーシップを築いており、昨年はドライバーズ・チャンピオンを獲得することができました。今年も現時点でタイトル争いをリードしていますので、ドライバーとチームのダブルタイトルの獲得を目指して戦いを続けていきます」と述べた。

 

 

またレッドブル・パワートレインズCEO 兼 Oracle Red Bull Racingチーム代表のクリスチャン・ホーナー氏は、「レッドブル・グループとホンダのパートナーシップは、ここまで多くの成功を収めてきました。現行のパワーユニットレギュレーションが終了する2025年シーズンまで彼らと一緒に戦えることを、非常にうれしく思っています」と話している。

 

対して本田技研工業 執行職 コーポレートコミュニケーション統括部長 兼 株HRC代表取締役社長 渡辺康治氏は、「今回、レッドブル・グループから支援延長の要請を受けて2025年シーズンまでRBPTに対してHRCを通じてF1 PUに関する技術的な支援を継続する事になりました。

 

現行のレギュレーション下では、2025年シーズンまでのPUを開発するためのリソースは不要ですので、現在のHRCの体制でもそのリクエストに応えられると判断しました。

 

四輪モータースポーツの世界最高峰カテゴリーにおけるレッドブル・グループのチャレンジをサポートするこの機会を通じて、HRCの人と技術を一層磨き上げてまいります」と結んでいる。

 

 

なお今後、F1を取り巻くレッドブル・グループに係る話題は、ポルシェなどF1への参戦意志を示している2026年以降へと移って行く。ちなみに目下、FIAは2026年シーズンからの新たなパワーユニット規定(目下、F1はパワーユニットの新たな開発を2025年まで凍結している)を8月初旬に発表するため、これにより新たな流れが現れてくるとみられている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。