留寿都風力発電所(留寿都ウインド合同会社)
本田技研工業(ホンダ)は9月27日、インベナジー・ウインド傘下の留寿都ウインドと、風力発電による北海道最大(インベナジー・ウインド調べ)のバーチャルPPA(Virtual Power Purchase Agreement/仮想電力購入契約)を締結した。
バーチャルPPAの締結は本田技研工業としては、国内初となる取り組みで、2025年9月の開始を予定している。
予てよりホンダは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けたCO2排出削減策の一つとして、事業活動へのクリーンエネルギーの導入を進めてきた。具体的には国内の事業所敷地内の建屋や駐車場、調整池などの様々な設備に対して、積極的に太陽光パネルの導入を行うなどを含めて定置用蓄電池を設置。自家発電による再生可能エネルギーを最大限に活用している。
併せて同社は、バーチャルPPAを活用した環境施策にも取り組んでいる。バーチャルPPAとは、先の〝仮想電力購入契約〟が意味する通りで、電力を使用する者(需要家)が、発電事業者から再生可能エネルギーの環境価値のみを直接購入する契約を指す。
今回、同社は留寿都ウインドの留寿都風力発電所で生み出される風力発電由来の非化石証書を環境価値として取得する。
その一方でホンダが実際に使用する電力は、従来通り現在取引している電力小売業者より購入・供給される。従って実際の電力の調達先を変えることなく再生可能エネルギー由来の電力の利活用に貢献できることになるという建て付けだ。
このような大規模な発電所とのバーチャルPPAのスキームにより、ホンダは長期的かつ安定的に再生可能エネルギーを調達し、クリーンエネルギー化を通じたカーボンニュートラル社会の実現を目指す。
今回締結したバーチャルPPAの概要
発電事業者:留寿都ウインド合同会社(インベナジーグループ)
発電所名称:留寿都風力発電所
所在地:北海道虻田郡留寿都村(あぶたぐん るすつむら)
調達開始予定:2025年9月
設備能力:63MW(4.2MWタービン x 15基)
今回のバーチャルPPAの電力/環境価値/費用の流れ
(1)風力発電所から卸電力市場に向けて再生可能エネルギーとしての電力を売電
(2)契約時の固定価格と電力市場価格の差額分をHondaが風力発電所(留寿都ウインド合同会社)へ支払う
(3)風力発電由来の環境価値をHondaが取得
(4)従来取引している電力小売り業者から電力を調達