コマツ製無人ダンプトラックと、トヨタ製ALV（コンセプト車両）

コマツとトヨタ自動車は5月17日、鉱山現場のライトビークルの自動化を目指し、無人ダンプトラック運行システム（Autonomous Haulage System以下、AHS）上で自動走行するライトビークル（Autonomous Light Vehicle以下、ALV）の開発で協業する。

昨今、資源の安定供給のため、鉱山現場は長時間稼働が求められ、厳しい自然環境下の過酷な労働条件でオペレーターなどの人材不足が課題となっている。また多くの機械が稼働している鉱山現場では、更なる安全性向上のため人的ミスによる事故の削減も求められている。

そうしたなかコマツは2008年に世界で初めてAHSを商用導入して以来、世界5カ国 22鉱山で稼働。その累計稼働台数650台超（2023年5月時点）。鉱山現場毎に異なる運用環境で稼働実績を蓄積し、世界各国の資源大手より安全性・生産性に対して高い評価を得ている。

また現在、AHSの管制下で鉱山現場の走路に、無人ダンプトラックと、鉱山内での作業員の輸送や保守点検に携わる有人ライトビークルとが混在して走行している。

従って現状では、人的ミスによる衝突を避けるため、すれ違い時に無人ダンプトラック側が減速、または停止するしくみを取り入れることで最優先課題である安全性を確保している。

しかし一方で、無人ダンプトラックの稼働効率という観点からは鉱山オペレーション全体の生産性で課題がある。

そこで両社は、この課題を解決することが急務であるという想いを共有し、鉱山オペレーション全体の自動化・自律化推進にともに取り組む。

コマツは、AHSの管制システム上にALV用管理プログラムを新たに開発し、トヨタは乗用で培った自動運転技術を応用し、AHSの管制システムからの指令により自動で走行するALVを開発する。

無人ダンプトラックとALVを、コマツのAHS管制下で協調制御して自動走行させることで鉱山現場の安全性と生産性向上の実現を目指す。

なお現在コンセプト車両にて試験を実施しており、今後2024年1月頃を目途に現場での実証実験を開始する予定だ。