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2024年3月29日【事業資源】

英アストンマーティン、新CEOにホールマーク氏

坂上 賢治

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アストンマーティン( Aston Martin Lagonda Global Holdings PLC / アストン・マーティン・ラゴンダ・グローバル・ホールディングス )の取締役会は、ベントレー・モーターズの元会長 兼 CEOのエイドリアン・ホールマーク氏( Adrian Hallmark / 61歳 )を自社の取締役および最高経営責任者( CEO )に任命することを発表( 3月22日・英国ゲイドン発 / 日本発表は3月25日 )した。なおホールマーク氏は、2024年10月1日までに同ポジションに就く予定だ。

 

上記を踏まえ、ホールマーク氏が就任するまでの期間は、アメデオ・フェリーサ氏が最高経営責任者として同社に留まり、リーダーシップの譲渡は円滑に行われる。またフェリーサ氏は自社新製品の市場導入への進捗を引き続き統括する。これには、今年後半に発表予定でDB12、Vantageに続く同社のフロントエンジン・ポートフォリオを完成させることになる次世代スポーツカーの第3モデルが含まれる。

 

今任命に関してアストンマーティン会長のローレンス・ストロール氏( Lawrence Stroll )は、「かつてアメデオが、当社の取締役会から最高経営責任者に任命された際、私は彼が当社のウルトラ・ラグジュアリー・ブランドへの歩みを新たな高みへ導いてくれることと示唆しましたが、その約束は間違いなく果たされたと思います。

 

ローレンス・ストロール氏( Lawrence Stroll )

 

というのは僅か2年余りで、製品ポートフォリオが早くも完成に近づき、アストンマーティンは世界で最も魅力的でウルトラ・ラグジュアリーなブリティッシュ・パフォーマンス・ブランドになるとしたビジョンに急速に近づきつつあるからです。

 

しかし今日は、彼がこれまでアストンマーティンで成し遂げたことだけではなく、ウルトラ・ラグジュアリー・カー業界の頂点で、アメデオ自身が長年に亘って築き上げてきた輝かしいキャリアを称え、個人的に彼に敬意を表したい気持ちです。またアメデオがエイドリアンが就任するまでの間、発売を控えている製品を引き続き統括してくれることにも嬉しく思っています。

 

当社の新しいフロントエンジン・スポーツカーの息をのむような製品ラインナップは、彼が会社と製品戦略をリードしてきた足跡としてアストンマーティンが刻んできた遺産のひとつとなるでしょう。そうした貢献を称えつつ、彼の今後の更なる活躍を祈ります。

 

一方で今回、エイドリアン・ホールマーク氏を当社の取締役会へ招くことは、世界の自動車産業界から最も優秀なリーダーのひとりを迎えることを意味します。ホールマーク氏は、ウルトラ・ラグジュアリー・カーとは何か、英国独自のものづくりの核心とは何かを知る人物であり、その知見をアストンマーティンにもたらし、当社の戦略を加速させてくれることでしょう」と述べた。

 

またアストンマーティンの現・最高経営責任者のアメデオ・フェリーサ氏( Amedeo Felisa )は、「最高経営責任者として、このエキサイティングな時代にアストンマーティンのようなアイコニックなブランドをリードできたことは大変光栄なことでした。

 

アメデオ・フェリーサ氏( Amedeo Felisa )

 

この2年間で、アストンマーティンの将来の方向性を明確にできたことを大変誇りに思っています。そして今こそ当社が、次なる新たな指針を示すべき大切な時期だと考えています。

 

加えてこれまで、ローレンスと取締役会から受けた強力なサポートにも感謝します。併せてアストンマーティンのビジョンを実現し、高く評価される新製品を市場へ送り出すため懸命に働いてくれた同僚たちにも感謝します。

 

私自身は、次に控えている新製品のリリースについて今から心を弾ませています。そんな以降の仕事はエイドリアンに引き継ぐことになりますが、彼は一流の経験を豊富に有しており、アストンマーティンにとっては素晴らしい選任になったと信じています」と語った。

 

これを受けてエイドリアン・ホールマーク氏は、「ウルトラ・ラグジュアリー分野で働く多くの人々と同じように、私もアストンマーティンのブランドと製品の絶え間ない変革を陰ながら賞賛してきました。

 

この度、ローレンス、取締役会、そして会社の従業員たちと共に、その次章をリードする機会を得られることをとても光栄に思います。

 

アストンマーティンの変革は、ウルトラ・ラグジュアリー・カー業界で最もエキサイティングなプロジェクトの一つです。これからは会社が時代を切り拓く勢いを落とすことなく、私の経験と情熱を活かして、このアイコニックなブランドの可能性を更に引き出し、大きな成功へと導いていけることを楽しみにしています」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。