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2024年1月30日【交通網】

草加市のタクシー会社、引きこもり支援の採用キャンペーン

坂上 賢治

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作:埼玉県在住イラストレーターAkari Itoさん

 

氷川自動車交通(運営:野島運輸株式会社、本社:埼玉県草加市、代表:野嶋宏行、以下・氷川タクシー)は1月30日、引きこもり支援を目的とした採用キャンペーンを2024年1月30日より開始した。

 

応募資格は「人間関係で悩み休職や退職を考えている、またはしたことがある」または「引きこもりである、あった」のみで職務経歴などは問わない。また今の職場が合わなくても「氷川タクシーがある」と心の支えになればとの考えから、内定を即承諾する必要はなく3年以内であれば有効としている。

 

氷川タクシーが同キャンペーン実施した背景には、内閣府の調査による近年の引きこもり数が4年で115万人から146万人と増加傾向であることが切っ掛けだという。同社営業地域の埼玉県でも「引きこもり支援に関する条例」が施行されるなど、自治体も対策に力を入れている。

 

そこで一般的な企業やタクシー会社と比べて勤務形態が自由に選べる体制を整えている氷川タクシーは、引きこもりの社会復帰を支援する。また引きこもりを予防するため採用キャンペーンを開始した。

 

氷川タクシーでは、元々引きこもりだった社員が多数在籍。現在はドライバーとして活躍している。また日本のタクシー運転手は4年で2割というスピードで減少の一途にあり、インバウンド需要が高まっているにもかかわらず、人手不足が深刻化している点もある。

 

同社では、「この採用キャンペーンで引きこもり問題とタクシードライバーの人材不足問題双方に貢献できればと考えています」と話している。
応募先は右記URLの通り:https://hikawa-taxi.com/

 

キャンペーン期間:2024年1月30日〜(終了時期未定)
応募資格:「人間関係で悩み休職や退職を考えている、またはしたことがある」または「引きこもりである、あった」に該当する人。
※現在引きこもりでなくても、経験があれば応募可能。
※現在別の会社で働いていても、人間関係で悩みを抱えていれば応募可能。
応募方法:氷川タクシーの採用ページからいつでも応募可能。
内定有効期間:内定から3年間
※状況によって変更することもあり。

 

氷川タクシーの勤務形態
同社はドライバーの待遇や働きやすさに配慮して、長く働ける会社を目指しているという。そのためノルマは設けておらず、ドライバーが自身の希望シフトを提出する仕組み。連絡を入れれば当日休みも可能。一般的な企業やタクシー会社と比べ、勤務日数、勤務時間、勤務形態の自由度が高いとしている。

 

 

取締役 旅客部部長の大角健泰氏:弊社のタクシードライバーは、元々引きこもりだったり、うつ病を患っていたことがあったりと、様々なバックグラウンドを持っています。

 

しかし、今はタクシードライバーとして弊社で前向きに勤務してくれています。これは、勤務形態が自由に選べる弊社だからこその特徴です。そんな特徴を生かして、引きこもり支援で地域に貢献できるのではないかと考えました。

 

この採用キャンペーンで、引きこもりの方が社会復帰できることに少しでも寄与できれば幸いです。つまづいたり転んだりして立ち止まってしまった時、もう一度やり直すためには多くのエネルギーが必要になりますが、立ち上がって頑張って生きていこうとする人達に、氷川タクシーでチャンスを掴んで欲しいのです。

 

また、この取り組みでタクシードライバーが集まることにより、他社も真似てドライバーの働き方改革などを行い、ひいてはタクシー業界全体の人手不足解消につながることを期待しています。

 

 

氷川タクシーで働く飯塚ドライバー(40代/2022年6月入社/中途採用/夜日勤):私は2022年に異業種から氷川タクシーに入社しました。前職時代に心身ともに不調を来し半年の休職の後に退職、さらに一年近い療養期間を経て再就職活動を開始しました。

 

就職活動中も、仕事が見つかるだろうか、続けていけるだろうかと不安な毎日を過ごしていました。そんな折に氷川タクシーの求人を見つけ、他のタクシー会社と比べてもとても働きやすそうだなという印象を受けて応募を決意しました。

 

入社して2年近くになりますが、この会社でタクシードライバーとして働けて本当に良かったなと胸を撫でおろす毎日です。ドライバーファーストの働きやすい環境と集中して稼ぐことが出来る仕組みを構築している会社なので、社内研修を終えて独り立ちしたその日から稼ぐことができました。

 

時折体調不良で会社を長期間休んでしまうこともありましたが、その度に上司が心身ともにケアをしてくださり氷川タクシーを帰る場所として待っていてくれました。

 

体調も安定し、仕事で充実した毎日を繰り返す中で気が付けば経済的な問題や仕事に関する不安とは無縁の生活を送れています。氷川タクシーはこれから頑張っていこうとしているあなたにとってきっと良い居場所になると思います。ぜひチャレンジしてみてください。

 

野島運輸株式会社
〒340-0034 埼玉県草加市氷川町1483番地
Tel:048-924-3603(担当:大角)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。