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2024年3月7日【事業資源】

ステランティス、南米へ56億ユーロを投資 同地域最大規模

坂上 賢治

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写真は、CEO カルロス・タバレス氏とCOO エマヌエーレ・カペラノ氏

 

ステランティス.S.Aは3月6日(オランダ・アムステルダム発)、2025年から2030年まで総額56億ユーロ(300億レアル/約9000億円)の南米地域最大の投資計画を発表した。なお、これはブラジルおよび南米に係る自動車産業史上で最大の投資になると同社では謳っている。

 

計画されている投資内容は、期間中の40を超える新製品の発売の他、新しいバイオハイブリッド技術、自動車サプライチェーン全体に亘る脱炭素技術、戦略的な新たなビジネスチャンスの創出をサポートするものだという。

 

今投資は、ブラジルを中心とした南米地域でクリーンかつ手頃なモビリティを提供しているなかで、脱酸素戦略に係る自社のリーダーシップを維持・強化し、併せて地元産業の発展に寄与するものとしている。なお同施策は、ステランティスのDare Forward(デアフォワード)2030戦略計画の達成も同時に後押しするものだと説明している。

 

 

ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は、「今回の発表は、南米自動車産業の将来へのコミットメントを強く打ち出したものです。

 

当社は、Dare Forward2030の達成のための〝第3のエンジン〟とも言える南米地域の従業員、サプライチェーンネットワーク、パートナーと共にモビリティの脱炭素化を加速するべく、今後も主導的な役割を果たしていきます。

 

また世界の自動車産業をリードする同地域の炭素中立化目標を共に達成させていくべく、今投資戦略に携わってくれたチームメンバーにも感謝したいと思います。

 

先のデア・フォワード2030戦略計画の一環としてステランティスは、今後10年間で電化戦略に500億ユーロ以上を投資しており、2038年までにカーボン・ネット・ゼロ企業になる道筋を順調に歩み続けています。

 

もとより南米は、中東とアフリカ、中国とインドを包括するアジア太平洋セグメントで〝第3のエンジン〟としての役割を果たしてくれており、北米・欧州外でのステランティスの収益目標の拡大に大きく貢献してくれています。

 

実際、ステランティスは、南米に於ける主要自動車産業3地域にあたるブラジル、アルゼンチン、チリの市場リーダーであり続けています。昨年、この地域に於けるステランティスの総販売台数は87万8,000台を超え、市場シェアは23.5%となりました。

 

また我々は、ブラジルで31.4%の市場シェアを誇り、南米全域の小型商用車販売で28.6%の市場シェアを確保。フィアットはブラジルと南米で最も売れているブランドであり、フィアット・ストラーダ・ピックアップはブラジルと、その他の周辺地域で最も売れている車です。

 

 

今日、そんな南米地域で最も注目すべき技術は、電動化とバイオ燃料 (エタノール) を動力源とするハイブリッドパワーを複合させる最先端のバイオ・ハイブリッド・テクノロジーにあります。

 

例えば当社のブラジル・ミナスジェライス州ベチンの研究開発拠点は、そのようなバイオハイブリッド技術の重要施設として長年、独自の技術を継承してきました。

 

そうした努力の積み重ねにより、当地のフィアット・ ブランドは、100%エタノールを使用するバイオ燃料エンジン開発の先駆者であり続けていますが、今後、将来的には、この地域ではバッテリー式電気自動車(BEV)も併せて生産される予定です。

 

バイオ ハイブリッド、バイオ ハイブリッド電動デュアル クラッチトランスミッション (eDCT)、バイオ ハイブリッドプラグイン、および BEV (100%ピュア電動)などの当社の南米地域のハイブリッド技術車両群は、その独特の複合技術だけでなく、生産面でも柔軟性があり、ステランティスが製造する多様モデルに適合できます。

 

こうしたバイオ ハイブリッド テクノロジーは今後、段階的に中南米の広域市場に導入され、2024年末までに各地位へ浸透させていく予定です」と述べた。

 

 

なおステランティスは、同投資を介して同地域の事業規模を拡大しさせつつ、同地域に適合させた自動車の設計・開発・生産体制を整えていく意向だ。

 

例えば先にステランティスは、同地域での電動化戦略をリードするべくアルゼンチンでリチウム資源の製品化を担うArgentina Litio y Energía SA(アルゼンチン リティオ イ エネルヒア社/アルゼンチン・リチウム・アンド・エナジー社)の株式19.9%を取得した。

 

 

更にステランティスは、自動車向け製品商社のNorauto・Argentina社と、ブラジル自動車部品流通のDPaschoal社の買収により、南米最大の自動車部品販売業者となって、アフターマーケット分野でも自社の存在感を強めている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。