NEXT MOBILITY

MENU

2023年10月19日【事業資源】

スズキ、インドに国内技術を注ぎ小型EVの世界拠点へ

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

スズキ傘下のマルチ・スズキ・インディア社(マルチスズキ)は去る7月31日開催の取締役会に於いて、スズキ・モーター・グジャラート社(SMG)の全株式を取得することを決議。併せてマルチスズキは、翌8月8日開催の取締役会でSMGの株式の取得の対価として、第三者割当によりマルチスズキ株式をスズキ本体に発行するとした。

 

これを受けてスズキ本社は、同じ8日開催の取締役会でマルチスズキの取締役会決議に従い、マルチスズキの株式が譲渡対価として発行される場合に、当該株式を対価として引き受けることを決議。

 

その後、マルチスズキは10月17日の取締役会で、SMGの株式の取得の対価(総額128,411,075,000ルピー)として、マルチスズキの株式を1株当たり10,420.85ルピーで12,322,514株を第三者割当によりスズキ本社へ発行。係る発行の承認をインド法に従いマルチスズキの株主に提案すること等を決めた。

 

これを踏まえスズキ本社は同じ17日開催の取締役会で、マルチスズキへのSMGの株式の譲渡対価として、係る発行内容にてマルチスズキの株式を引き受けた。

 

但し、これらマルチスズキによるSMGの株式取得の対価としての第三者割当によるスズキ本社への株式発行は、第一に〝マルチスズキの取締役会および株主により承認されること〟第二に〝インド政府の承認を必要に応じ取得すること〟などの条件が成就することを条件としていると結んでいる。

 

更にスズキ本社は10月19日、パキスタン現地法人のパックスズキモーターを完全子会社化、パキスタン証券取引所でパックスズキモーターの上場廃止へと動いている。今後スズキは、これらに伴い、東アジアに係る車両生産計画の再編に動きそうだ。

 

その皮切りにまずはマルチ・スズキに関して、日本国内市場に向けてSUVタイプのEVを生産・輸出。その動きはアフリカ市場に向けても同様で、今後は小型4輪EVに関してはインドを拠点に中国製品に対抗できる低価格EVの世界輸出に取り組む構えを整えつつある。

 

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。