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2023年5月12日【企業・経営】

トヨタ、クラウド環境誤設定で顧客情報漏洩の可能性が露呈

坂上 賢治

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5月12日、トヨタ自動車がトヨタコネクティッド(TC)に管理を委託するデータの一部が、クラウド環境の誤設定により、公開状態となっていたことが判明した。

 

判明後、外部からのアクセスを遮断する措置を実施しているが、TCが管理する全てのクラウド環境を含めた調査を継続して実施中。同社としては急ぎ、同日時点で判明している事案を公表した形だ。

 

同日時点で把握している事案は以下の通りだ。

 

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(1-1)外部より閲覧された可能性がある顧客情報・車載端末ID(車載機/ナビ端末ごとの識別番号)、車台番号(車両一台ずつに割り当てられた識別番号)、車両の位置情報、時刻。

 

(1-2)対象となる顧客は2012年1月2日~2023年4月17日の期間内にT-Connect/G-Link/G-Link Lite/G-BOOKを契約した顧客の約215万人。

 

(1-3)外部からアクセスできる状態にあった期間は、2013年11月6日~2023年4月17日。

 

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(2-1)外部より閲覧された可能性がある情報。TCが提供する法人向けサービスから収集されたドライブレコーダーで車外を撮影した映像

 

(2-2)外部からアクセスできる状態にあった期間。2016年11月14日~2023年4月4日

 

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トヨタ自動車では、「車載端末ID、車台番号、車両の位置情報、時刻が漏洩した可能性のあるお客様には、ご登録頂いているメールアドレス宛に、本日より、お詫びとお知らせを個別にお送りさせて頂きます。

 

加えて、お客様からのご質問やご不安などにお答えするための専用のコールセンターを設置致します。

 

このたびは、データ取扱いのルール説明・徹底が不十分だったことなどが主な原因であったと考えております。

 

TCと密接に連携し、従業員への教育を徹底し、再発防止に取り組むと同時に、クラウド設定を監査するシステムを導入し、クラウド環境の設定調査を実施、および継続的に設定状況を監視する仕組みを構築致します。

 

今回、外部より閲覧された可能性のあるお客様情報は、外部からアクセスした場合であっても、これらのデータのみでは、お客様が特定されるものではありません。

 

本件判明後より、外部より閲覧された可能性のあるお客様情報について、ネット上での第三者による二次利用、コピーの残存有無の継続調査の際、その事実は確認されず、現在のところ、その他の二次被害も確認されておりませんが、引き続き個人情報を取り扱う上での管理体制をより一層強化するための再発防止策の実施を推進して参ります。

 

お客様ならびに関係の皆さまには大変なご迷惑、ご心配をおかけすることを、お詫び申し上げます」と結んでいる。

 

 

本件に関する対象顧客からの問い合わせ(専用コールセンター)
お客様情報相談窓口 0120-502-169
(フリーダイヤル、受付時間 平日・土日祝 09:00~18:00)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。