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2024年3月22日【事業資源】

トヨタ自動車が品川に新東京本社、2029年度に開業

坂上 賢治

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品川駅方面から見た外観イメージ

 

トヨタ自動車は来たる2029年度、東京都港区高輪3丁目地区( 旧シナガワグース敷地 )に「新東京本社」を開業することを明らかにした。( 坂上 賢治 )

 

オフィスロビーのイメージ

 

ここに至る経緯は、同社が先の2020年に京浜急行電鉄とリニア開通に伴う活性化を見込み、当該周辺地域を指す「(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画」の共同事業者となるための協定を結んだことに遡る。

 

対して同協定のパートナーである京急電鉄は、国際交流拠点・品川の実現に向けて同地域( 品川駅西口地区 )の開発事業を推進。国際交流拠点・品川に相応しい複合施設の開設を目的に、オフィス、商業、ホテル、MICE(カンファレンス、多目的ホール)等の整備を計画してきた。

 

そして迎えた2024年の3月22日、両社は同地区のまちづくり推進を目的に、土地の一部取得・建屋建設・共同運営に係る契約締結の発表を行った。

 

オフィス環境イメージ

 

京急電鉄では今契約について、「グローバルに活動を展開しているトヨタと共に、更なる国際化が期待される羽田空港至近で、リニア中央新幹線で名古屋・大阪とも結ばれる品川駅前のポテンシャルを最大限活用するべく、引き続き品川駅西口地区のまちづくりを推進してまいります」と話している。

 

オフィス環境イメージ

 

一方、トヨタは新東京本社の設置について、「CASEをはじめとした技術革新により、自動車産業の概念が大きく変わろうとするなか当社は、多様なモビリティサービスを通じて世界中の人に笑顔や幸せを提供するモビリティカンパニーを目指すモデルチェンジを目指しています。

 

その実現に向けては、移動価値の拡張、炭素中立を伴う人類と地球の持続可能な共生への取り組み、社会システムとモビリティの融合を通じた新たな価値創造が必要だと考えています。

 

新東京本社は、そうした新領域への取り組みをリードする重要な拠点のひとつとして、ソフトウェア開発機能の配置、実証に必要な設備の導入など、多様な仲間が集う協創の場の創造を目指しています。

 

そこには最新のオフィス設備に加え、オフィス内へのモビリティ実機の持ち込みを可能にするなど、ここに集う多様な人材がクリエイティビリティを発揮できる環境づくりを視野に、新しい働き方を実践できる福利厚生等の制度およびインフラの導入も含めて検討していきます」と語っている。

 

現在の計画敷地(2024年2月9日時点)

 

品川駅西口地区(高輪3丁目地区)に係るこれまでの経緯
– 2020年4月:本地区における当社開発にトヨタを共同事業者として迎えることを発表(協定締結)
– 2022年1月 :「品川駅西口地区まちづくり指針(高輪三丁目地区)」策定
– 2022年10月:内閣総理大臣より「東京圏の国家戦略特別区域に係る区域計画における国家戦略都市計画建築物等整備事業」として認定
– 2022年11月:東京都より「品川駅西口地区地区計画」を変更する都市計画が告示
– 2023年6月:URが施行者として進める「品川駅西口土地区画整理事業」が国土交通大臣より事業計画認可
– 2024年2月:URにより「品川駅西口土地区画整理事業」における仮換地指定がなされる

 

トヨタと京急電鉄の契約締結日:2024年3月27日(予定)
トヨタへの譲渡資産:2024年3月27日(一部)/2029年(残部)

 

進捗スケジュール(予定)
2025年度:着工
2029年度:開業

 

計画敷地(緑部分)

拡大図

 

当該建築概要
事業名称 :品川駅西口地区A地区新築計画(仮称)
事業主体 :当社、トヨタ
所在地 :東京都港区高輪3丁目の一部
敷地面積 :約23,600㎡
延床面積 :約313,100㎡
階数 :地下4階 地上29階
建物高さ :約160m
用途 :オフィス・商業・ホテル・MICE(カンファレンス、多目的ホール)等
※計画概要は本日時点のものであり、今後の関係機関との協議等により変更する可能性がある。

 

位置図・配置図

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。