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2023年12月20日【ESG】

トヨタ、タイの炭素中立で現地大手企業らと協業合意へ

坂上 賢治

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写真左から中嶋裕樹CJPT代表取締役社長、Soopakij Chearavanont CP会長、佐藤 恒治トヨタ社長兼CEO、Dhanin Chearavanont CP上級会長、豊田章男トヨタ会長、Roongrote Rangsiyopash SCG社長 兼CEO、Suphachai Chearavanont CP CEO、Kachorn Chiaravanont True Leasing Co., Ltd.社長兼CP執行役員

 

CP(Charoen Pokphand Group)、TLS(True Leasing)、SCG(Siam Cement Group)、トヨタ自動車、CJPT(Commercial Japan Partnership Technologies)は12月19日、タイ国内でのCN(カーボンニュートラル)実現に向けた協業で、〝CPとSCGによる物流効率化〟〝タイに於けるカーボンニュートラル車両の導入〟などの成果を踏まえ、更にCNへの取り組みを加速するための協業基本合意書を締結した。

 

CP、TLS、SCG、トヨタ、CJPT各社は、CP上級会長Dhanin Chearavanont、SCG社長 兼 CEO Roongrote Rangsiyopashと、先までトヨタ社長であった豊田章男氏との深い信頼関係の基、タイ国民6,700万人の幸せに向けて「想いを同じくする仲間とみんなで、今すぐできることをする」を合言葉に、データ、モビリティ、エネルギーの3つの領域で取り組みを進めてきた。

 

「データソリューション」では、CPとSCGの小売・物流ビッグデータと、交通流・車両データを活用した積載効率向上や配送ルート最適化で、実証店舗で約15%のCO2を削減。

 

CPとSCGの物流現場視察(タイ)

 

「モビリティソリューション」では、FCトラック、Hilux Revo BEV concept、JPN TAXI LPG-HEV、商用軽バン等、タイでの使われ方に応じた様々な車両を導入した物流・人流に係る実証を介して約68トン/年のCO2削減効果を確認した。また併せて肥料散布用FCドローンの飛行実証にも成功している。

 

多様なカーボンニュートラル車両を物流現場で実証(タイ)

 

加えて「エネルギーソリューション」では、「タイならでは」の資源を有効に活用すべく、Charoen Pokphand Foods養鶏場の糞尿や、トヨタ拠点での廃棄食料由来のバイオガスから、水素を製造する装置をタイに初導入。

 

この水素をエネルギーとするFCトラックやFCドローンで活用した。なお12月にはレース車両への活用も想定している。更により長い視点では、太陽光発電や蓄電池システムを活用した拠点内エネルギーマネジメントについても既に実行計画化している。

 

写真左から中嶋 裕樹CJPT代表取締役社長、佐藤 恒治トヨタ社長 兼 CEO、Soopakij Chearavanont CP会長、Roongrote Rangsiyopash SCG社長 兼 CEO、Kachorn Chiaravanont True Leasing Co., Ltd.社長 兼 CP執行役員

 

こうしたタイに於ける取り組みについてトヨタは、「今後、タイでの使われ方に応じたマルチパスウェイの考え方の下、FCEV/BEVの導入など、タイ社会でリアルタイムで現時点に於いて求められているHEVや、軽自動車などを介してカーボンニュートラルに貢献していく考えです。

 

またタイの資源の使われ方に応じた再エネの利用では、〝つくる〟〝はこぶ〟〝つかう〟が一体となったエネルギー効率の向上策・コスト低減策を図ってまいります。

 

加えてデータ活用による物流効率化では、3社の小売・物流データやトヨタのデジタルツイン技術を活用し、今後はエネルギーマネジメントだけでなく、交通管制等社会システムとの連携を図るなどでも、人・物・エネルギーの流れを最適化してまいります。

 

そのためにも、以上で説明した取り組みを加速するべく、一体となった協業基本合意書のもと、タイに設立した新会社〝Commercial Japan Partnership Technologies Asia Co., Ltd.〟も加えて力を合わせ、他国も必要と感じで頂けるタイならではのタイから始まるカーボンニュートラル社会の実現を目指してまいります」と話している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。