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2024年4月25日【事業資源】

チューリング、プレシリーズA前半で30億円の資金調達

坂上 賢治

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MLエンジニアを中心とした人材採用や大規模GPUクラスタの構築を加速

 

自動運転車の技術開発に取り組むTuringは、独立系ベンチャーキャピタルANRIをリード投資家とした複数のベンチャーキャピタル、事業会社、個人投資家からの出資により、プレシリーズAラウンドの前半として30億円の資金調達を実施した。

 

今回調達した資金は、Heron専用の計算基盤として年内の稼働開始を予定している大規模GPUクラスタ「Gaggle Cluster」の構築や、2025年に人間の介入なしで都内を30分間走行できる自動運転システムを開発するプロジェクト「Tokyo30」の実行、および、上記取り組みを加速させるMLエンジニアを中心とした人材採用に使用される。これにより、当社はエンジニア一人あたりが使用できる計算資源において国内トップクラス(2024年4月時点自社調べ)になるという。

 

投資家からのコメント(アルファベット順)は以下の通り

 

ANRI 株式会社 代表パートナー 佐俣アンリ氏・Principal 丸山太郎氏
かのアラン・チューリングが言いました。“We can only see a short distance ahead, but we can see plenty there that needs to be done.” 自動運転Level 5の社会実装、気が遠くなるほど困難で全く先が見えない挑戦です。

 

しかし、創業から3年弱走り続けた結果、次に超えるべき山は見えていて、今はその山を全力で登るだけ。どれほど「無理だ、不可能だ」と言われようが、決して諦めることなく常に上を狙い続けるTuringをANRIは全力で応援します。

 

株式会社デジタルハーツホールディングス 代表取締役社長CEO 筑紫敏矢氏
昨今AIの進化は目覚ましく、そう遠くない将来、完全自動運転も実現するでしょう。このような状況のもと、今後も日本の自動車が世界的に高い競争力を維持するためには、国内で完全自動運転技術の開発をすることが非常に重要です。

 

チューリング社は、“AIをベースとした完全自動運転化のパラダイムシフトを起こす”という熱い情熱と、それを実現可能にする高い技術力を持つ優秀なエンジニアが在籍しており、日本の自動運転技術開発に新たな風を起こしてくれるのではないかと非常に期待しています。

 

我々デジタルハーツホールディングスも、アノテーションをはじめ様々なソリューションを提供することで、日本発の完全自動運転の実現を力強く後押ししたいと考えています。

 

DIMENSION株式会社 ビジネスプロデューサー 家弓昌也氏
創業時から有言実行で開発マイルストーンを達成されてきた経営陣の実行力と、事業の魅力に惹かれ優秀な人材が集結されている様子を踏まえ、前回のシードラウンドに引き続き、追加出資をさせていただきました。

 

米国や中国で自動運転車を手掛けるスタートアップが続出する中、Turingはそれを超えて、日本の技術で、より便利かつ安全な車社会を実現されようとしています。今後も、高い目標に向け力強く前進されることを期待しています。

 

未来創造キャピタル株式会社(みずほリース株式会社CVC) 代表取締役社長 竹内信房氏
Turing様の目指すルールベースではなく生成AIを活用した完全自動運転の実現は、非常に難易度の高いチャレンジであるものの、創業者や多くの優秀なメンバーとお会いする中で、Turing様なら実現できると確信いたしました。

 

Turing様の技術により、完全自動運転の社会実装が進展していくことを大いに期待しております。みずほリースCVCファンドを通じて、Turing様に出資参画できる機会を得たことを⼤変嬉しく思います。

 

みずほキャピタル株式会社 投資第6部 インベストマネージャー 園田利弥氏
自動運転に関する研究はこれまでも多く実施されてきましたが、Turing様は従来のルールベースによるアプローチとは異なり、生成AIを活用することで完全自動運転を実現しようとされています。

 

簡単な道のりではないと思いますが、素晴らしい経営チーム、チームメンバーの方々が集まっているTuring様であれば、必ずハンドルのない車を作ることができると信じ、今回出資させていただきました。みずほグループとしてもこの壮大なチャレンジに少しでも貢献出来るよう、全力でご支援させていただきます。

 

株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ Director 雨宮大地氏
日本の基幹産業である自動車産業がCASEの流れで海外勢優位に進む中、移動サービスの破壊的イノベーションともいえる完全自動運転に、日本企業として本気で取り組む山本さん、青木さん、田中さんの熱意に惹かれ、今回出資をさせていただきました。

 

私が青木さんと初めて出会った2022年夏当時、新川崎のラボで市販車の解析をしていたところからすさまじいスピードで開発が進むのを目の当たりにし、私はチューリングならきっと完全自動運転を実現できると信じています。

 

NTTおよびNTTドコモグループとしても、今回の出資を通じてチューリングの皆様とともに完全自動運転による新たな価値創造に挑戦し、世界の景色を変えていければと思っています。

 

ヤンマーベンチャーズ株式会社 シニアキャピタリスト 野田晴彦氏
この度、弊社の運用する2号ファンドからの第一号出資案件として、チューリング社のプレシリーズAラウンドに参画できたことを大変喜ばしく、そして光栄に思っています。

 

チューリング社ほどの大きな志を掲げるスタートアップは国内外を見渡してもそう多くなく、最初にお話をいただいた時から是非ご一緒できれば、と思っておりました。

 

山本CEOはじめとする経営陣に率いられた素晴らしいチームは、実現が困難とされる完全自動運転に最も早く辿り着くポテンシャルをお持ちであるものと確信しています。この領域のリーディングカンパニーとして世界を牽引していかれることを、期待しております。

 

Z Venture Capital株式会社 インベストメントマネジャー 内丸拓氏
”日本株式会社”の本丸、自動車産業に新風を吹き込むTuringの挑戦にご一緒できる機会を頂き、とても嬉しく感じるとともに、心からワクワクしています!私のようなペーパードライバーでも、安心して運転ができる世界をTuringが作ってくれることを楽しみにしています。ZVC一丸となって全力でサポートしていきます!

 

会社名 :Turing株式会社(読み:チューリング、英語表記:Turing Inc.)
所在地 :東京都品川区大崎1丁目11−2 ゲートシティ大崎 イーストタワー4階
代表者 :代表取締役 ⼭本⼀成
設⽴  :2021年8⽉
事業内容:完全自動運転車両の開発
URL  :https://tur.ing

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。