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2023年9月12日【事業資源】

ボルボ・カーズ、シンガポールにテック・ハブを新設

坂上 賢治

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ボルボ・カーズは9月12日、デジタル技術と新たなモノづくりのノウハウを求めて、国際的なホットスポットとなっているシンガポールに新たなテック・ハブを開設した。( 坂上 賢治 )

 

この新しいテック・ハブは、来たる2030年までに最先端の電気自動車メーカーになろうとするボルボ・カーズにとって、データ分析、ソフトウェア開発、ものづくり技術を融合する舞台として有望な拠点になるという。

 

そんなシンガポールの施設では、まずはものづくり技術の追求を皮切りに、ソフトウェア開発やデータ分析の能力構築に重点を置く構えだ。

 

特に次世代のクルマづくりには、未だ見ぬ新しい技術が必要とされており、それらの獲得には、AI、ロボット工学、自動化、機械学習、ナノテクノロジーなど、様々なテクノロジーの集約が必要になってくる。

 

そうした要員を踏まえ、ボルボ・カーズのハビエル・ヴァレラ最高執行責任者(COO)兼副CEOは、「シンガポールの新拠点は、社内のテクノロジーとソフトウェア開発能力を底支えするものとなります。

 

同拠点はグローバル・イノベーション・センターとして、当社の勢いを加速させ、先進の製造技術およびデータ分析に於ける能力を高めていくでしょう。

 

なお今回のシンガポールに設けたテック・ハブの発表は、今年はじめのポーランドのクラクフに於けるテック・ハブ開設に続くものです。

 

両ハブとも、当社のグローバル拠点戦略を更に最適化し、主要技術分野で優位性を確保すると共に、世界中の優秀なテック系人材を惹きつけることを目的としています。

 

また、これらのテック・ハブは、既存のテック・ハブ・ネットワークや世界各地の中核エンジニアリングセンターとも密接に連携しています。

 

シンガポールは近年、世界有数の技術能力とイノベーションの中心地となっています。一流の大学や幅広い教育エコシステムを擁するシンガポールは、今や世界中の多くのテクノロジー企業、投資先、人材に選ばれる場所となっているのです。

 

そこでボルボ・カーズは、シンガポール経済開発庁(EDB)の支援を受けながらシンガポールに新たなハブを設立しました。

 

このような環境下でシンガポールの現地ネットワークと人材を活用する能力を高めながら、次世代テクノロジーや自動車の開発に取り組んでいきます」と述べている。

 

一方、そのEDBのシンディ・コー上級副総裁は、「ボルボ・カーズがシンガポールにテック・ハブを設立するという決定を歓迎します。

 

これは、世界的なモビリティ企業が地域および世界市場向けのソリューションを開発するためのイノベーション・ハブとしてのシンガポールの魅力を証明するものです。

 

またシンガポール国民にとって魅力的な雇用機会を創出し、新しいテクノロジーや次世代自動車の開発に於いて、公的研究機関と地元企業とのパートナーシップの機会も創出することでしょう」 と話している。

 

なおこのボルボ・カーズによる新しいテック・ハブは9月初旬にオープンし、9月1日に入社したイヴォンヌ・タン氏が指揮を執るとしている。イヴォンヌ氏は、エンジニアリング開発と実行を通じてビジネスを成功裏に導いた実績のある、ベテランで先見性のあるリーダーだ。

 

イヴォンヌ氏は、テクノロジー・サービスの世界的大手プロバイダーであるVenture International社からボルボ・カーズに入社。Venture International社では、R&Dディレクターとして先進のライフサイエンス機器およびシステム提供を指揮してきた。

 

更にDyson Operations社では、シニア・エンジニアリング・マネージャーとして8年間にわたって研究設計開発を指揮した経験がある。またイヴォンヌ氏は、シンガポール工科デザイン大学で工学博士号を取得し、ウェールズ大学でビジネスITの理学修士号を取得している。

 

目下、ボルボ・カーズは現在、スウェーデンのストックホルムとルンド、ポーランドのクラクフ、インドのバンガロールでボルボ・カーズ・テック・ハブを運営中だ。

 

また同社には、中国の上海とスウェーデンのイェーテボリにも大規模なエンジニアリングセンターがある。これらの拠点は、それぞれに異なる重点分野を持っているが、その結果、世界中に戦略的に広がるイノベーション・センターの重要なネットワークを構成していると同社では謳っている。

 

なお先ごろシンガポールには、APeCのリージョン本部を設立したばかりだというが、今回のテック・ハブの開設により、シンガポールに於ける同社のプレゼンスの高まりについてもボルボ・カーズとしては期待しているようだ。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。