NEXT MOBILITY

MENU

2024年2月29日【企業・経営】

ボルボ・カーズ、運転中の前方事故を警告。まずは北欧から

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

ボルボ・カーズは、まずはデンマークを皮切りに、交通管理センターからのリアルタイムデータを使用し前方での事故を車がドライバーに直接警告する初めての機能「アクシデント・アヘッド・アラート」を搭載する。

 

同社(欧州に於けるボルボ・カーズ)では、このアクシデント・アヘッド・アラート機能は現在、デンマークの2016年モデル以降の90、60、40シリーズのボルボ車全モデルで利用可能な機能であり、近く、多くの欧州市場に於いても同一車種に搭載される予定とアナウンスしている。

 

 

これは、前方をまったく見渡せない曲がりくねった田舎道を走っている時、前方の車線で事故車があることを事前に警告するというもの。これは、交通管理センターからのリアルタイムデータを使用して、前方での事故を車がドライバーに直接警告する初めての機能となる。機能搭載はデンマークが皮切りとなり、順次、同機能に対応する欧州エリアに於けるボルボ車に搭載される予定としている。

 

この機能は、前方の事故による衝突や渋滞を回避することを目的に、数百メートル先までの交通事故の発生をドライバーに即座に警告するよう設計されている。位置情報は、各国の道路管理当局と他のボルボ車をはじめとする対応車両から提供される。

 

この追加機能についてボルボのセーフティ・センターの責任者であるオーサ・ハグランド氏は、「ボルボの革新的なコネクテッド・セーフティ技術を活用したアクシデント・アヘッド・アラートは、ボルボのドライバーが不測の事態を回避するのに役立つと同時に、すべての人にとって道路をより安全にすることに貢献します。

 

デンマーク道路管理局や、交通安全エコシステム(Data for Road Safety ecosystem)に於ける他のパートナーとの連携のおかげで、私たちはこの新機能を導入し、安全技術の革新におけるリーダーシップを発揮し続けることができるのです。

 

 

2016年に導入された、このボルボ・カーズによる業界初となるコネクテッド・セーフティ技術は、リアルタイムのデータに基づき、ボルボ・カーズのクラウド機能を使用しています。

 

これにより、ボルボ車同士が相互に通信しあい、近くの滑りやすい路面状況や危険をドライバーに警告することができます。また同じように、今回、ドライバーは時間帯に関係なく前方の事故の警告を受けることができるようになりました。

 

すべての人にとって道路をより安全なものにするため、私たちはより多くの道路管理機関に匿名の交通事故データを共有するよう呼びかけ、また、他の自動車メーカーにも同様の技術を導入することを働きかけています。

 

もちろん、ボルボ・カーズは、他の自動車メーカーが安全装備に組み込めるよう、コネクテッド・セーフティ・データの共有に取り組んでおり、今後もこれを継続していきます」と説明した。

 

一方でデンマーク道路管理局 交通管理センターの責任者であるスティーネ・ベンゼン氏は、「我々の新しいリアルタイムの交通状況データの供給を、ボルボ・カーズが最初の自動車メーカーとして活用し始めたことをうれしく思います。

 

前方で事故を迅速に警告することにより、ドライバーは減速して車間距離を広げる時間を稼ぐことができます。これは、追突事故のリスクを軽減し、道路整備に従事する人々を守るのに役立ちます。

 

ボルボ車のオーナーなら、データ共有機能を選択するだけで簡単に交通安全に貢献することができます。

 

センター・ディスプレイにある「コネクテッド・セーフティ」機能を起動するだけで、ダッシュボードの警告灯や搭載車であればヘッドアップディスプレイにより前方の事故をドライバーに知らせます。他の車と共有されるのは必要な情報のみで、データは匿名化されるためプライバシーは保護されますのでご安心ください」と述べている。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。