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2019年11月1日【トピックス】

日の丸自動車興業、2階建て新構造バスの初導入へ

坂上 賢治

 日の丸自動車興業株式会社(本社;東京都文京区 代表取締役社長 富田浩安)は11月1 日、日本国内初導入の2階建てオープンバスの新型車両の採用を発表した。

 

 

実は2階建てのオープンバス自体は、読者各位もご承知の通り日本国内でも既にお馴染みの車体であるのだが、今回、日の丸自動車興行があえて「日本国内初導入」と銘打ったのは、2階席の前方一部座席を、屋根及び空調付の客席とした「ハーフルーフ構造」としている所にある。

 

さらにスペインのバス架装メーカー「UNVI」が製造したスペシャル車両であることも初物である理由のひとつ。このふたつの要素を組み合わせた仕様は、日本国内でまだ導入実績がなかった。

 

 

 今後同社は、都市観光事業の立役者である2階建てオープントップバス事業で、さらなる訪日外国人観光客の需要喚起を見据えている。

 

そこで2階席の前方20座席で屋根と空調を備えた「ハーフルーフタイプ」の新型車両を2019年11月より導入開始する。さらにこれを契機に順次、同型車による営業運転を展開していく意向だ。

 

 

 なお同新型車両は、外観上で大きな特徴がもうひとつある。それは都市観光運用での使い易さに考慮し、車体全長を11メートル以内(従来は12メートル)としたこと。

 

これにより他の都市型路線バス同様の小回りの効きを可能とした。さらに何かと注目され勝ちな2階席のみならず、1階席の使用に目を向けたことにも注目したい。

 

 

というのは今車両では、海外での同型の標準仕様をベースとした低床車を採用したことにある。これにより1名分のみであるが、車椅子対応にも応えているのは大きな前進だからだ。

 

 ちなみに今回、日の丸自動車興行が2階部にハーフルーフ構造を採用したのには事業上の着目点があった。それは雨天時や夏季の猛暑時での乗客の嗜好や動向を探ることで、以降の車両導入を選択していく際の選択肢を得る意味合いも兼ねているのだ。

 

 

もちろん日の丸自動車興行では、それでも既存のフルオープン車両の人気も根強いだろうとも見ており、従来同様の2階建てフルオープンタイプの新型車輛導入も上記検討項目を前提に前向きに配慮していくとしている。

 

同社の2階建てオープントップバス事業は、2004年に「スカイバス東京」として新たな都市観光の在り方を提案するべく、日本初の2階建てオープントップバスによるドライブ型周遊を開始。

 

2012年には訪日外国人観光客を主なターゲットとした乗り降り自由の周遊型定期観光バス「スカイホップバス」を運行開始し、現在は東京と京都で運行中。今年、当該事業は既に15周年を迎えている。

 

 

 そうした歴史を踏まえ、今回導入する車両は、先の通りスペインのバス架装メーカー「UNVI」が製造した車両とした。併せて同型車はダイムラーAG社のシャシーベースを備えた日本国内では数少ないメルセデス・ベンツ登録車両となる。

 

このため車両運行上、大事なメンテナンス領域では、ダイムラーと資本関係にある三菱ふそうからの手厚いサポートや、修理や故障に関する情報提供も実現する。

 

加えて同車は、先の資本関係を踏まえ三菱ふそう製の最新観光バス「エアロエース」と共通項目も多い。従って外国製車両でしばしば課題となってきた部品供給の障害も総体的に小さくなる見込みだ。

 

 従って今後は、2階席のハーフルーフ構造に加え、フルオーブン車両も2階客席部分を除けば、以降は共通設計を採用していく構えだという。結果、日本国内での車両運用及びメンテナンスのスムーズな実施が可能となり、事業のさらなる安定に繋がると同社では期待しているようだ。

 

 

UNVIオープントップバス(ハーフルーフタイプ)諸元
– 車名 :UNVI (ウンビ)
– シャシー:メルセデス・ベンツOC500LE
– 全長:10,800㎜
– 全幅:2,460㎜
– 全高:3,760㎜
– ホイールベース:5,010㎜
– 車両重量:13,840㎏
– 車両総重量:17,030㎏
– 軸重量:前軸/5340㎏、後軸/8410㎏
– 定員:58名(ドライバー1名含む) 車掌席:1名
– エンジン:メルセデス・ベンツOM936
– 打刻/国 [01] 380/EURO6対応型

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。