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2020年1月24日【エネルギー】

筑波大学「ゾーン30」効果を分析

坂上 賢治

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 国立大学法人筑波大学 医学医療系 市川政雄教授らの研究グループは、2011年9月から警察庁等が連携して全国に整備している「ゾーン30」が自転車と歩行者の交通外傷の発生に与えた影響について分析を行った。(坂上 賢治)

 

 

2005年から2016年の月ごとの全国の交通外傷(死亡・重傷)データを分析したところ、「ゾーン30」の導入後、生活道路における人口当たりの自転車と歩行者の交通外傷率がそれ以外の道路における交通外傷率と比べ大きく低下しており、2016年12月までに1,704人の自転車と歩行者の死亡・重傷が予防されたと推定している。

 

このことから、最高速度30km/h以下のみを要件とする比較的設定しやすいゾーンを行政や地域が協力して広めることは、国レベルで、自転車利用者や歩行者の交通外傷予防に大きな効果をもたらすことが示唆された。

 

 

 「ゾーン30」とは警察庁等が連携して全国に整備する自動車通行よりも自転車や徒歩が優先されるべき生活道路における交通安全確保を目的として、最高速度30km/h以下の区域規制を実施するとともに、必要に応じてその他の対策を組み合わせるものだ。

 

ゾーン内における走行速度のと抑制、通過交通(抜け道としての通行)の抑制・排除をポイントに、例えば、ゾーン入り口には標識・表示を設置、ゾーン内では区間規制を設置する他、中央線を抹消し路側帯の設置・拡幅を行う。また、ハンプと呼ばれる目の錯覚を利用した物理的デバイスの設置を行っている。

 

 地域の要望や交通量・交通事故の発生状況等をもとに、主として生活道路が集まった地域に通学路が含まれている場合などにおいて整備が進められている。当初の整備目標であった全国約3000か所を達成し、平成30年年末の時点で3649か所の整備を完了している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。