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2024年4月25日【ESG】

アウディ、東京・紀尾井町の150kW充電拠点を広く開放

坂上 賢治

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2台同時に急速充電可能な蓄電池型EV充電器は太陽光パネルの電力も利用

 

独アウディAG傘下のアウディ・ジャパンは4月26日、「Audi charging hub( アウディ・チャージング・ハブ )紀尾井町」を東京都千代田区に設置・オープンさせた。これは世界を包括するアウディAG全体で7番目、ヨーロッパでの6拠点以外では、世界初の拠点となった。( 坂上 賢治 )

 

この機を迎えたアウディ・ジャパンは、開所日前の4月25日に報道陣を募り、東京都港区の虎ノ門ヒルズで上記施設の記者発表会を行った後に、紀尾井町の現地へ移動しての施設イベントも併せて開催。先の通り、日本国内ではアウディ初となるAudi charging hub紀尾井町を披露した。

 

 

ちなみに元々、Audi charging hub紀尾井町の敷地は直近に於いて、同社・正規販社のアウディシティ紀尾井町がパーキングスペースとして利用していた場所で、その際は10台弱程度の車両が収容できていた場所だ。拠点隣には24時間営業のコンビニエンスストアがある。

 

そこに設けられた同拠点では、先の2023年1月20日に公式発表されたアウディ+パワーエックスとの事業提携に基づき、パワーエックス社が提供する蓄電池機能も備えた急速EV充電器Hypercharger( ハイパーチャージャーHC0358 / CHAdeMO2.0.1の認証取得済・OCPP1.6対応 )の2基・4口( EV4台の同時充電が可能 )が並ぶ施設となっている。

 

 

従って現時点でも最大150kW( 2台同時の場合は1台当たり最大120kWでの充電となるが、いずれは240kWへの対応も想定している )での充電が可能。150kWに対応したアウディ車への充電なら30分で最大容量の8割程度まで充電できる計算となる。

 

充電需要が低く稼働待ちとなる時間帯には、内蔵の蓄電池にカーボンニュートラル電力を蓄えて、充電需要が高まる時間帯の充電ニーズに対応する。従って拠点屋上には太陽光パネルも設置されており、Audi charging hubの運営に必要な電気供給の一部を、正真正銘の100%カーボンフリー電力でも補う仕組みだ。但し欧州のアウディAGの充電拠点でデフォルトとなっていた車両再生電池の利活用は、今拠点ではサービスの提供開始を早めるために見送られた。

 

無料の充電利用サービスを4月26日から6月30日迄の約2か月間実施

 

その強みは150kW型の複数基の充電器を設けた施設というだけではなく、サービスを提供する対象車両がアウディ並びにフォルクスワーゲングールプの車両に留まらず、全ての電気自動車ユーザーを対象( 他社メーカー製を含むBEVも受け入れる )に急速充電の利便性を提供すると事前発表されているところにある。

 

これにより都内中心部に於いて、〝充電拠点不足〟〝自宅で充電できない〟〝充電にかかる時間が長い〟といった電気自動車の課題解決に貢献。

 

アウディ製EVの日本市場への普及促進と図ると共に、広く電気自動車普及へ向けた自らのコミットメントを示した形となり、今日に於いても、なかなか普及浸透が進まない日本国内に於けるEVインフラの加速化を改めて促した格好となった。

 

 

なおアウディ・ジャパンではAudi charging hub紀尾井町のオープンを記念し、急速充電の快適さを多くのユーザーに体験し貰う機会を提供するべく、充電サービスを無料で利用できるキャンペーン期間を、2024年4月26日から6月30日までの約2か月間に於いて実施することも併せて発表した。

 

上記2ヶ月間のキャンペーン時利用にあたっては、二次元コードを読み取り必要情報を入力することで、1ユーザーにつき期間中最大2回までAudi charging hubによる急速充電体験を提供するという建て付けだ。

 

Audi charging hub紀尾井町の次は芝公園に新拠点開設を計画中

 

アウディでは、「当社の電動化戦略は電気自動車の新モデルの導入に留まらず、充電ネットワークの拡充にも注力し、お客様が電気自動車を検討しやすい環境づくりに取り組んでいます。

 

特に都市部では、充電器を設置するスペースが限られ、集合住宅が多いことなどから、充電拠点不足、自宅で充電できないといった課題が電気自動車の利便性の妨げとなっています。

 

充電の順番待ちや充電自体に要する時間を確保することは、忙しく暮らし働く方々にとっての大きな負担となるため、充電にかかる時間が長いことも解決すべき重要な課題です。

 

 

このたびAudi charging hubがオープンする紀尾井町は、Audi のe-tron取扱店であるAudi City紀尾井町に隣接しており、東京都心でも特にオフィスやホテル、商業施設、官公庁などが密集するロケーションで電気自動車の充電を取り巻くこれらの課題が深刻化し易く急速充電拠点のニーズが高いエリアです。

 

アウディでは、これらの課題解決に貢献するべくAudi charging hubの急速充電ネットワークを提供。電気自動車の利便性を向上させます。なお日本では、紀尾井町に次いで東京の芝公園にもAudi charging hubのオープンを予定しています」と自ら電動車普及戦略の一端について説明している。

 

既にVWグループ傘下の高出力急速充電ネットワークは全国356拠点へ拡大

 

また当日午前に虎ノ門ヒルズで開催のAudi charging hub紀尾井町披露前の記者会見に登壇したアウディ・ジャパンのブランド ディレクターのマティアス ・シェーパース氏は、「この度、アウディがグローバルに推進する電動化戦略の要のAudi charging hubを日本に導入することができ、大変嬉しく思います。

 

同拠点の開設は、都市部の電気自動車に対する不安要素の解消に貢献したいという、アウディAG並びにアウディ・ジャパンの電気自動車推進に対する強いコミットメント表すものです。

 

アウディ・ジャパンのブランド ディレクターのマティアス ・シェーパース氏

 

元より紀尾井町界隈は、隙間時間に気軽に立ち寄れる利便性の高いロケーション下にあります。充電拠点の向かい側には、当社ショールーが設けられていることもあり、充電の合間に休憩して頂いたり、新型モデルを見て頂いている間に充電が完了するため充電に費やしていた時間を最小限かつ有効活用できます( 車両充電中にショールームで過ごすことを可能にしている )。このプレミアムな体験を、多くの皆様に実感頂きたいと思います。

 

なお当充電拠点のご利用にあたって、アウディとポルシェ、フォルクスワーゲン3ブランドのオーナー様を対象としたPCAのメンバー各位様へは、1基2口をPCA(プレミアム チャージング アライアンス)メンバー専用基( 拠点の向かって右側の充電器が対象 )としており、これを優先的にご利用頂けます。

 

併せて今後はPCAメンバー向けに予約システムを導入し、待ち時間のないよりプレミアムなサービスを提供する予定です。現在、PCAメンバー数は6000名を超え、PCAメンバー向け最大150kWの急速充電ネットワークは全国356拠点に拡大( そのうち現段階で150kW対応機は97拠点に到達済み )しています。

 

加えて、Audi charging hubの革新的な充電体験をより多くのBEVユーザーに提供したいと考え、我々はAudi charging hubをPCAメンバー以外にも利用頂けるようにも致しております」と語った。

 

 

更にマティアス・シェーパース氏に促され、ドイツ本国からオンライン上で登壇したアウディAGのプレミアムチャージング担当シニアディレクターを務めるラルフ・ホルミッグ氏(Ralph Hollmig)は、「電気自動車への移行に於いて充電インフラは重要な成功要因であり、私たちはAudi charging hubにより、この課題を解決します。

 

ニュルンベルグにあるアウディ初のAudi charging hubで充電するユーザーの約70%はリピーターで、これは時代の流れをとらえた、アウディのユニークなコンセプトが受け入れられているからであり、今後、日本の皆さんにも、このコンセプトに沿って作り上げられたAudi charging hub 紀尾井町で、その最新技術をご体験いただけるのを楽しみにしています」と結んでいた。

 

 

Audi charging hub紀尾井町の概要は以下の通り

 

所在地:東京都千代田区麹町5丁目7番15
運営時間:年中無休 24時間利用可能
利用方法:充電器に設置の二次元コードをPCAアプリまたはスマートフォンのカメラで読み取ることで利用可能。
利用料金:PCA月額会員は75円/分、PCA都度会員は200円/分、一般利用は250円/分
急速充電30分無料体験キャンペーン:2024年4月26日から6月30日(1ユーザーにつき、期間中最大2回まで)。
公式サイト:https://www.audi.jp/e-tron/charging/ach/

※充電器は充電規格「CHAdeMO 2.0.1」に対応。CHAdeMOアダプターは利用できない。
※Audi Q8 e-tronによる必要充電時間は[正味電気容量:106.0kWh]と[一充電走行距離:501km(WLTCモード)]、Audi e-tron GTの必要充電時間は[正味電気容量:86.5kWh]と[一充電走行距離:534km(WLTCモード)]を基にした計算値。実際の充電速度は、電池の温度や残量、充電器等に応じて異なる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。