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2023年10月12日【MaaS】

鉄道系4社のJTOS、短距離インフラのLuupと共創

坂上 賢治

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JR東日本スタートアップ、東急、小田急電鉄、西武ホールディングスの4社による鉄道横断型社会実装コンソーシアム「JTOS(ジェイトス)」は10月12日、〝移動課題の解決〟をテーマにLuupとの共創を決めた。

 

この鉄道横断型社会実装コンソーシアムのJTOSとは、スタートアップ企業を取り巻く社会実装に向けた様々な障害を乗り越えるべく、各社が有する駅や鉄道、不動産などの経営資源、グループ事業上の情報資源を掛け合わせた広大な実証実験フィールドをスタートアップ企業へ提供。共に〝未来のあたりまえ〟を創造していくというもの。なおこうした取り組みは、JTOS が掲げる4つのテーマの1つである〝MOVE 領域での共創〟だと銘打っている。

 

 

対するLuupとは、〝街中を駅前化するインフラをつくる〟をミッションに電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」を展開するスタートアップ。

 

電動アシスト自転車や、電動キックボードのみならず、電動・小型・一人乗りの電動マイクロモビリティを包括的に取り扱い、ファースト・ラストワンマイルの移
動手段を確立させることで、全ての人が自由に移動できる未来を目指している。

 

そこでこのLuupとJTOSは、JTOSへの参画4社が有する駅や鉄道、不動産などの経営資源をLuupの実証フィールドとして活用。Luupと共に未来の移動社会の在り方を模索していく。

 

その契機となったのは先の2023年7月1日、改正道路交通法の施行に伴い電動キックボードなどが電動小型モビリティとして新たな車両区分が定められたことにある。

 

新たな区分化で生まれた特定小型原付は、16 歳以上であれば運転免許が不要である一方で、走行中の最高速度は20km/hに制限されたことで、外国人観光客を含む、より多くの利用者を望める環境になった。

 

またそうした折り、これまでは最も身近な二次交通であったバスやタクシーのドライバーのなり手に関しては、時間外労働の上限規制が厳格化。むしろレガシーな公共交通分野では、人手不足が急進的に進み、大きな課題となって浮上している。

 

ゆえに地方の観光地では旧来の回遊役となる移動手段が不足。そうした環境下では電動小型モビリティの活用を促すことで、若干遠い場所への移動を可能にしていくことで、観光地の新たな魅力を再発見できるようになるという考え方も出始めている。

 

 

そこで、より具体的には、大分県別府市、東京都あきる野市、埼玉県秩父市などのと特定の観光地域で、電動マイクロモビリティのシェアリングサービスLUUPを活用した実証実験を順次行っていく。

 

というのは、先の通りでそうした観光地では、一次交通としての鉄道を利用後、最寄り駅から観光施設へ向かうための二次交通手段の不足が既に深刻な課題となっているからだ。

 

JTOSでは、そのような場所で、最寄り駅からの移動手段の選択肢を増やし、徒歩では遠いエリアへのアクセスで電動マイクロモビリティの利用を促したり、回遊性を高めて周遊観光の活性化を促進していきたい構えだ。

 

また反対に都市部の日常シーンでも、若者層へ電動小型モビリティ利用を促し、沿線をマイクロモビリティで巡る移動データを積極収集。近隣沿線エリア間での連携策を検討するなど、移動の自由度を高めることを介して近隣駅間の回遊性を促し、〝鉄道+マイクロモビリティ〟による新たな移動社会の創造も模索していきたい考えだ。

 

これを受けてマイクロモビリティLUUPを展開するLuupは、観光という非日常シーンのみならず、日常の生活空間に於いても快適な移動体験を提供することにより、電動小型モビリティを体験するためのハードルを下げ、マイクロモビリティがある社会の日常化を目指したい考えだ。

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マイクロモビリティの利用促進に係る社会創造の図式は以下の通り

 

(1)移動課題解決を通じたシームレスな移動の実現
一次交通の拠点となる鉄道事業と二次交通の拠点となるマイクロモビリティ事業を掛け合わせることで、好きな時に好きな場所へアクセスできるよう交通利便性を高め、街の滞在時間や回遊性の向上を目指す。

 

(2)マイクロモビリティの安全な利用における啓発活動を促進
新たな交通手段であるマイクロモビリティの活用に於いて正しいルールやマナーを共に広め、安全・安心なまちづくりに貢献する。

 

(3)データの利活用による街の活性化
街の特性や生活スタイルの可視化により効率的なまちづくりの施策を実現するため、マイクロモビリティの利用を通じた移動データの計測と利活用に向けて取り組む。

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 各地域に於ける「LUUP」展開の概要は以下の通り

– 実証実験における観光地での展開は下記エリアを予定 –

 

■大分県別府エリア(別府駅周辺)
実施期間:2023 年 10 月 19 日(木)~2024 年 3 月 31 日(日)

 

■東京都あきる野エリア(武蔵五日市駅周辺)
実施期間:2023 年 10 月 18 日(水)~2023 年 12 月 2 日(土)

 

■埼玉県秩父エリア(西武秩父駅周辺)
実施期間:2023 年 11 月 1 日(水)~2024 年 3 月 31 日(日)

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加えてサービス開始にあたって東京エリアでは、安全啓発活動を目的に下記にて安全講習会を開催する。

 

■JTOS×LUUP 安全講習会
開催日時:2023年10月20日(金)10:00~11:00(雨天中止)
開催場所:下北線路街 空き地(小田急線「下北沢駅」東口から、「下北沢交番」方面へ徒歩 4 分)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。