石川県小松市(市長:宮橋 勝栄)、BOLDLY(ボードリー)、ティアフォー(TIER IV)、アイサンテクノロジー、損害保険ジャパンの5者は3月3日、JR小松駅と小松空港を繋ぐ自動運転EVバスの長期試験走行を成功裡に終えた。
同日は午後1~4時、「サイエンスヒルズこまつ ひととものづくり科学館」へ、石川県知事や国会議員を始めとする来賓を招き、自動運転バスの披露式を実施。更に「未来型の交通を切り拓く。イノベーションの最前線とL4への展望」をテーマとしたシンポジウムに加え、地域住民を対象とする試乗会ではテープカットおよび出発式(子どもと保護者が乗車)も開催した。
お披露目式でのテープカットの様子
なお上記の試験運行は2023年10月23日から2024年3月3日まで、北陸新幹線小松駅の開業に向けた趣旨で自動運転EVバスの長期試験走行。今後は、JR小松駅と小松空港を直接結ぶ快速便として2024年3月9日から自動運転EVバスの通年運行を開始する。
かつて試験運行に至った背景は、先の5者が北陸新幹線小松駅の開業に合わせ、JR小松駅・小松空港間のアクセス向上を図るべく、2022年8月3日に自動運転バスの通年運行の社会実装を軸とした連携協定を締結。
その後の長期試験走行では、JR小松駅・小松空港間のルートに於いて、損保ジャパンによる自動運転リスクアセスメントやアイサンテクノロジーによる高精度3次元地図データの作成を事前に行った上で、自動運転バス「Minibus」(ティアフォー製)を用いて、ティアフォーが開発を主導する自動運転ソフトウエア「Autoware(オートウエア)」による自動走行や、BOLDLYが提供する自動運転車両運行管理プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を使った遠隔監視を実施した。
自動運転バス「Minibus」(ティアフォー製)
また併せて自動走行の更なる安定性向上を目的に、信号情報提供システムや、路車協調システムの実証実験も実行。運行では自動運転レベル2で、1日に4~5往復走行。BOLDLYとティアフォーの社員が車内のオペレーターおよび遠隔監視者を務めると共に、社会実装時に運行を担う地域の交通事業者に対してBOLDLYによるトレーニングも実施した。
なお先の通りで5者は、今長期試験走行を通して得られた知見やノウハウを基に、2024年3月9日にJR小松駅・小松空港間での自動運転バスの通年運行を開始する予定だ。
路線バスの通年運行について
運行開始:2024年3月9日
走行距離:片道約4.4km(約15分間)
走行速度:最高時速35㎞
走行ルート:JR小松駅と小松空港をつなぐ公道 ※途中の停留所なし
使用車両:自動運転バス「Minibus」(ティアフォー製 )
運賃:大人280円、小児140円
運行業務受託者:北鉄加賀バス株式会社
運行ダイヤ:
「Dispatcher」の画面(開発・提供:BOLDLY)
「Dispatcher」 ダッシュボードの画面(開発・提供:BOLDLY)