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2023年5月17日【エネルギー】

技研製作所、自動ワイヤレス充電の運用実証を開始

坂上 賢治

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技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:森部慎之助)は5月17日、ダイヘン(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:蓑毛正一郎)と共同で高知本社の超小型EV専用の機械式駐車場「EVエコパーク」で、自動ワイヤレス充電の運用実証を開始した。

 

 

機械式駐車場で自動ワイヤレス充電の運用実証は国内で初という(技研製作所調べ)。実証は10月末まで実施し、実用化に向けて課題を抽出して改善に繋げていく。

 

 

具体的な実証概要は、ダイヘンが開発したワイヤレス充電システム(非接触充電)の受電装置を超小型EVに搭載し、給電装置を「EVエコパーク」に設置した。

 

これは手動でケーブル接続を行う従来の接触充電仕様と異なり、入庫するだけで自動的に充電がスタートするので利便性が飛躍的に向上する。

 

 

使用した車両はトヨタの超小型 EV「C+Pod」。平素の利用は同社社員が通勤時などに利用し、システム連動や従来の接触充電仕様との比較試験等を行っていく。

 

技研製作所では、「運用実証で培った技術は、普通自動車や軽自動車タイプのEVにも適用可能であり、将来的にはそれらの自動ワイヤレス充電に対応するEVエコパークの展開に繋げられます。

 

この実証を社会実装に結び付けることで、EVの普及を後押しし、カーボンニュートラルや機能的なまちづくりに寄与していきます」と話している。

 

 

実証機器・車両
【超小型EV専用機械式駐車場 「EVエコパーク」(技研製作所製)
その構造素は直径9.5m、高さ15mの円筒型で、占有面積は約80㎡。収容台数は40台(1層8台×5層)。一般的な平置き駐車場の約5分の1の占有となる。

 

入庫時間は平均で18.9秒(最短 15.5秒)、出庫時間は平均19.7秒(最短 17.2秒)。待ち時間が少なく、滞留も発生しづらいため駐車場前に広い待合スペースをつくる必要がないと謳っている。

 

 

入庫時に、機械装置が車両を所定位置に自動搬送する。ワイヤレス充電システムは、駐車時に車両の受電装置と充電設備の給電装置の距離が離れてしまうと充電効率が下がる課題があるが、EVエコパークは充電に適した位置に収容でき、最大効率での充電を可能にするという。

 

なおEV 用ワイヤレス充電システムはダイヘン製の「D-Broad EV」を使用。所定の位置に停めると車両を検知し自動で急速充電を開始する仕組。なお今後ダイヘンにより急速充電レベルのシステム開発が推進される予定としている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。