本実証を通じて目指す姿

本田技術研究所と出光興産は3月28日、使用済み自動車（ELV／End-of-Life Vehicle）から回収したプラスチックの水平リサイクル実証を開始した。

この実証では、再資源化に必要なELV由来プラスチックの回収要件の確立。将来的な再生資源の生産にあたって、水平リサイクルシステムの実現への検証を行う。同実証を通じて両社は、2020年代後半にELV由来プラスチックの水平リサイクルシステムの構築と量産車への適用を目指す。

なお、これまでELV由来プラスチックの処理は、分別回収などのリサイクル難度の高さから、焼却時の熱エネルギーを回収・利用に止まっていた。

そこで今回の実証では、従来のメカニカルリサイクル（選別・粉砕・洗浄等の物理的手法で行うリサイクル手法）よりも物性低下が起こりにくく、バージン材と同等の性能・品質のリサイクル材に転換できる油化ケミカルリサイクル（使用済みプラスチックを油化して化学品や燃料油を製造するリサイクル手法）技術を用いることで、水平リサイクルを可能にする考えだ。

具体的には、本田技術研究所がリサイクル原資の検討を行い、ELVから使用済みプラスチックを回収。出光興産は、傘下のケミカルリサイクル・ジャパンを介して油化ケミカルリサイクル技術を使うことで結果的に出光興産が生成油の再資源化を検証する。