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2024年1月19日【企業・経営】

ホンダ、2024年モータースポーツ活動計画を公表

坂上 賢治

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本田技研工業(ホンダ)は、2024年度のモータースポーツ活動計画を発表した。二輪モータースポーツに於けるMotoGP活動については、RC213Vを配したワークス体制を含む3チーム体制で挑み、四輪モータースポーツに係るF1参戦活動については前年と同じく2チームへの技術支援とマーティング協力体制となる。なお、その他の国際レースへの参戦体制、国内レースの体制も含め、詳細は後述していく。

 

二輪モータースポーツ活動
まず2023年のFIMロードレース世界選手権 MotoGPクラスに関して、2024年はルカ・マリーニ選手がRepsol Honda Team(レプソル・ホンダ・チーム)に、ヨハン・ザルコ選手がCASTROL Honda LCR(カストロール・ホンダ・エルシーアール)に加入する。ホンダとしては、マシンの戦闘力向上と合わせて、MotoGPのタイトル奪還を目指すとしている。

 

FIMトライアル世界選手権シリーズのTrialGPクラスでは、昨年トニー・ボウ選手がチャンピオンを獲得し、Xトライアル世界選手権の両シリーズで各17連覇(合計34連覇)を達成したことを踏まえ2024年も同様の体制で記録更新に挑む。

 

また二輪のモータースポーツでも、四輪と同じくカーボンニュートラル燃料の導入に合わせて、MotoGPやFIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)、MFJ全日本ロードレース選手権(JRR)JSB1000クラスに対応していく。加えて全日本モトクロス選手権(JMX)への電動車投入に続いて、新たな電動二輪車カテゴリーへの参戦も検討していく。

 

四輪モータースポーツ活動
FIAフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)では、Oracle Red Bull Racing(オラクル・レッドブル・レーシング)およびScuderia AlphaTauri(スクーデリア・アルファタウリ)に対し、チームパートナーとして技術支援やマーケティング協力を実施していく。

 

国内レースでは、SUPER GTシリーズGT500クラスで、CIVIC TYPE Rをベースとした「CIVIC TYPE R-GT(シビック タイプアール ジーティー)」を新投入。昨年、FIAフォーミュラ・ツー選手権(F2)で活躍した育成ドライバーの岩佐歩夢(いわさあゆむ)選手は今季、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)へ参戦する。

 

また北米ではHonda Performance Development(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)が、2024年1月からHonda Racing Corporation USA(HRC-US/ホンダ・レーシング・コーポレーション・ユーエスエー)に社名を変更。

 

2024年は、インディカー・シリーズに参戦する5チームに、HRC-USを通じてエンジンを供給する。またIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にはHRC-USが供給するAcura(アキュラ)ブランドのマシン「ARX-06」2台がHRCロゴで参戦する。

 

参戦体制概要(2024年1月19日発表時点)

 

《二輪参戦体制概要》
《世界選手権》
FIMロードレース世界選手権(MotoGP)

 

FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)

 

FIM世界耐久選手権(EWC)

 

FIMモトクロス世界選手権(MXGP)

 

FIMトライアル世界選手権シリーズ(TrialGP)

 

FIM世界ラリーレイド選手権(ダカールラリー2024)

 

《日本》
MFJ全日本ロードレース選手権(JRR)

 

MFJ全日本モトクロス選手権(JMX)

 

MFJ全日本トライアル選手権(JTR)

 

《アジア》
FIMアジアロードレース選手権(ARRC)

 

《北米》
AMAスーパークロス選手権

 

AMAプロモトクロス選手権

 

《四輪参戦体制概要》
《日本》
全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)

 

SUPER GT<GT500クラス>

 

SUPER GT<GT300クラス>

 

スーパー耐久シリーズ<ST-Qクラス>

 

《北米》
インディカー・シリーズ

 

IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権

 

《二輪ライダー・四輪ドライバー育成》
トップカテゴリーを目指した選手育成システムとして二輪は、2024年も引き続きMotoGPのMoto2・Moto3クラスに参戦するHonda Team Asia(ホンダ・チーム・アジア)の活動を継続すると共に、若手育成のプログラムとしてIDEMITSU Asia Talent Cup(イデミツ・アジア・タレント・カップ)を活用し、世界で活躍できるライダーのさらなる発掘・育成に取り組む。

 

四輪は、ドライバー育成プログラム「ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」を展開し、欧州のジュニアフォーミュラカテゴリーや日本のFIA-F4、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権などへの挑戦の場を提供し、選手の成長とステップアップのための環境を整えていく。

 

FIMロードレース世界選手権(MotoGP)

フランス F4選手権

 

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)

 

FIA-F4選手権(日本)

 

モータースポーツ普及活動
モータースポーツの普及を前提に初心者でも気軽に楽しめるイベントも開催。幅広い層にモータースポーツの魅力を伝えることを目的とした活動を行っている。

 

<株式会社ホンダ・レーシング(HRC)ワンメイクレースシリーズ>
なかでもHRCによるワンメイクレースは、モータースポーツを楽しむカテゴリーと将来のMotoGPライダー育成を目的としたカテゴリーに分かれ、日本全国約30か所のサーキットで開催している。

 

市販車両を使用した「HRC GROM Cup」、「CBR250R Dream Cup」、「CBR250RR Dream Cup」に加え、HRCの市販レーサーを使用したミニバイククラスの「NSF100 HRCトロフィー」や、将来のMotoGPライダーを育成するための「HRC NSF250R Challenge」も開催している。

 

これらのHRCワンメイクレースシリーズは、全国各地のサーキットで開催され、一定の条件を満たした参加者を対象に全国大会の実施や、育成クラスへのステップアップ支援制度など、参加者がレースを楽しんだり、夢を実現したりするプログラムとなっている。

 

<Honda エコ マイレッジ チャレンジ 2024>
創造力と自由な発想、技術を結集した手作りのマシンを使い1Lのガソリンで何km走行できるかを競う「Honda エコ マイレッジ チャレンジ」を1981年から開催。初回大会以来のべ約1万5千チーム以上が参加している。2024年も国内3か所での地区大会と、全国大会を予定している。

 

Honda エコ マイレッジ チャレンジ 2024 国内開催スケジュール

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。