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2017年12月22日【エネルギー】

出光興産と昭和シェル、組織・人的融和を介して協働事業化を加速へ

坂上 賢治

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(3) 成長戦略の検討や規制への対応でも両社の強みを活かし、シナジー効果をさらに拡大するとしている。その取り組みは以下の通り。
・エネルギー供給構造高度化法3次告示対応
・2020年のIMO対応(投入原油の選択、製造設備対応、製品国内外販売等)
・次世代モビリティーに関する事業化検討
・バイオマス発電燃料の共同製造、共同調達
・アジア市場での石油化学、石油下流事業の共同展開
・再生可能エネルギーや火力ベースの電力事業の海外共同展開

 

(4)組織の融和・人的融和の推進
加えて文化や仕事の進め方等の違いを相互に認識し理解することを目的に、各階層でのワークショップを再開したと云う。

例えば9月には両社長をはじめ約650名が参加する大規模交流イベントを開催する等、1,500 名の計画に対し、延べ 1,700 名近い社員が参加し相互理解を深めたとする。

 

さらに新たな取組みとしては、11月から人事部門での相互出向を実施。今後各部門へと相互出向を拡大していく予定とする。こうしたことを踏まえた事務所統合に合わせ、来春を目処に約300名の社員が同一事務所で業務を行うとしている。

 

(5)社会貢献活動の一層の推進
社会貢献活動においても様々な協働を実施している。例えば小学生を対象に東京都と新潟県において「ブライターエナジーアライアンス エネルギー教室」を共催し、芸術分野では出光主催コンサート会場におけるシェル美術賞作品の展示や、シェル美術賞展覧会における出光後援のコンサートなどのコラボレーション企画を積極的に開催する等、今後も社会貢献活動の協業化も加速させていくと結んでいる。

 

一方で、昭和シェル石油との経営統合に反対する出光創業家は、資産管理会社である日章興産などを介して出光興産の株式を買い増し、同社を含む出光昭介氏ら共同保有者の保有割合を17.37%から18.2%に拡大させている。

もとより先の7月に出光興産が、発行済み株式数の3割に当たる新株を発行して約1200億円を調達したことで結果、創業家の議決権ベースの株式保有割合が26%台に下がっていた。しかし出光美術館と出光文化福祉財団の保有する出光興産株を含めると、現段階での保有割合が微増し28%に達しているとみられる。

 

但し、昭和シェルとの合併には株主総会で3分の2以上の株主の賛成による特別決議が必要であるため、出光興産経営陣が悲願としている経営統合は、他の株主がどちらに付くかの動向次第となっている。( MOTOR CARS  より転載 )

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。