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2023年8月4日【経済・社会】

JAF、夏期急増で車内熱中症事故予防を呼び掛け

坂上 賢治

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子どもやペットだけでなく大人も要注意。車内熱中症回避のために行動を

 

JAF(一般社団法人日本自動車連盟)は8月4日、昨年の8月1カ月間に出動した“子どもやペットを車内に残したままのキー閉じこみ”の件数を公表。車内熱中症事故予防を呼び掛けた。具体的には昨夏(8月)、子どもやペットを残したキー閉じこみは87件。うち3件はドアガラスを割って救援された。

 

 

より詳細には、2022年8月1日~8月31日の1カ月間、JAFが出動した「キー閉じこみ」の救援のうち、子どもやペットが車内に残されたままであったケースは全国で87件(子ども:51、ペット:36)あった。

 

このうち緊急性が高いと判断し、通常の開錠作業ではなくドアガラスを割るなどしたケースが3件。現場での聞き取り調査によると、その原因の中には「子どもに鍵を持たせていたら、ロックボタンを押してしまった」「ペット(犬)が誤って運転席ドアのロックボタンを踏んでしまった。」というものもあった。

 

暑さ指数(WBGT)の推移

 

JAFが実施した車内温度の検証テストによると、気温35℃の炎天下に駐車した車内の暑さ指数は、窓を閉め切った状態でエンジン停止後、わずか15分で人体にとって危険なレベルに達するとし、車を日陰に駐車していたとしてもその車内温度の差はわずか約7度で、駐車場所に関わらず外気温が高温である場合は注意が必要と綴っている。

 

なかでも乳幼児は体温調節機能が未発達であり、特に注意が必要。「少しの時間だから」「寝ているから」等の理由で車内に子どもを残したまま車を離れることは、「キー閉じこみ」のトラブルとならなくても、熱中症を引き起こす事故になりかねない。

 

また、2021年にJAF公式SNSアカウントで実施したキャンペーン「あなたの熱中症を教えて!」では「クルマで家族を迎えに行き待っているあいだ、エアコンを切っていたら熱中症になりかけた」という大人の車内熱中症に関するコメントもあった。

 

JAFでは、「車内熱中症というと子どもやペットの事故がよく報道されますが、大人であっても車内熱中症に陥る危険性は十分にあります。暑いと感じられる際は無理をせず熱中症回避のため行動しましょう」と話している。

 

参考:JAFユーザーテスト
▼車内温度/夏

実施日:2012年8月22日・23日
場所:彩湖・道満グリーンパーク駐車場(埼玉県戸田市)
天候:晴れ
気温:35度
テスト:午後12時から4時間、駐車条件の異なる車両(ミニバン)を5台用意し、炎天下における車内温度を測定。

資料編:https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/temperature/summer

 

動画編:https://www.youtube.com/watch?v=27Ej-ZUWvUU

 

 

車両条件(各車両の室温を25℃に揃え、3つのテストを実施した)
(1)対策無(黒)
(2)対策無(白)
(3)サンシェード装着
(4)窓開け(3cm)
(5)エアコン作動

 

▼「日なた」と「日陰」の車内温度(動画編)
https://www.youtube.com/watch?v=0KiUCm-1B6k

 

   最高温度/平均温度/ダッシュボード最高温度
(1):57℃    /51℃  /79℃
(2):52℃    /47℃       /74℃
(3):50℃   /45℃        /52℃
(4):45℃   /42℃        /75℃
(5):27℃   /26℃        /61℃

 

炎天下における車内温度の測定結果
– エアコン停止からわずか15分で、熱中症指数が危険レベルに達した。
– 乳幼児は体温調節機能が未発達で、高温下では短時間で体温が上昇し、死に至ることがある。寝ているからという理由で、車内に子どもを残すのは大変危険である。
– また、高齢者も加齢にともない、体温調節機能が低下するため、同じように危険である。

 

最後にスマートフォンやライターなどの日用品をダッシュボードに置き、時間経過とともに状態変化を調べた。

 

 

ダッシュボードにものを置いた場合の結果
– ダッシュボードは車内の温度よりさらに高温になった。
– スマートフォンは高温に耐えられず、一時的に使用不能となった。
– スプレー缶やライターは、今回破裂したり、引火することはなかったが、可燃性の高い危険物を車内に置くことは避けるべきである。
– さらに、ハンドルも高温になりやすいため、車に乗車する際には、火傷などには注意が必要である。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。