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2020年12月23日【SDGs】

JOGMEC、2050年気候中立に向けCCS事業の取組みまとめる

NEXT MOBILITY編集部

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JOGMECは12月23日、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、JOGMECのこれまでのCCS事業の取組と今後の活動方針を発表した。

 

JOGMECは、資源開発において気候変動問題への対応がより一層求められている状況を踏まえ、2020年7月1日に「低炭素社会に向けた技術事業戦略」を定め、資源開発と一体となったCCS事業への支援を抜本的に強化する方針を打ち出した。

 

さらに、CCS事業を強力に推進するため、同日付でJOGMEC内に新たにCCS事業を統括し推進する組織(「CCS推進グループ」)を設置している。今般、CCS推進グループ設置以降約半年を経過したことを踏まえ、これまでの活動の成果と今後の取組の方向性をとりまとめ公表した。

日本政府は、2050年に温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すこととしている。JOGMECとしては、CCS事業をはじめ、気候変動問題に対応した積極的な事業展開により、この目標達成に貢献していく考えだという。

 

 

<2050年カーボンニュートラルに向けたJOGMECのCCS事業の取組み>

 

1.資源開発も脱炭素化の時代へ
資源開発における脱炭素化への要求が高まっている。海外の産油国・メジャーもCCSなどを中心に脱炭素事業への取組を強化している。今後、化石燃料を水素・アンモニアなど新たな資源として活用していくためにもCCSの利用が不可欠。

 

JOGMECでは、OGCI(石油・ガス気候変動イニシアティブ:石油・ガス業界のCEOによる気候変動対策の取組)は、欧州を中心とした4つのHubCCUSプロジェクトを推進。10億米ドルのファンドを立上げ、メタン/CO2を低減するCCUS技術等に投資するなど、資源開発事業における取組を行っている。

 

 

2.JOGMECにおける取組
「低炭素社会に向けた技術事業戦略」を2020年7月1日に公表。同戦略において、新たな技術開発の方向性「①低炭素社会の実現への貢献」「②油ガス田開発の新たな可能性の追求」「③技術支援や探鉱開発評価を支える基盤技術の維持・強化」の3本柱を位置付けた。

 

特に、「①低炭素社会の実現への貢献」のため、資源開発と一体となったCCS事業の支援・技術開発を強化する方針。そのため、戦略公表と同日付で、JOGMEC内に新たにCCS事業を統括し推進する特別なグループを設置している。

 

また、JOGMECは資源開発CCSの中核機関として、「過去50年蓄積した地下評価技術ノウハウ」と「実証系研究で蓄積した施設技術ノウハウ」を最大限活用し、本邦企業によるCCS事業への支援を強化するという。

 

 

3.地下評価技術の取組内容
①CCS対象構造の絞り込み
③CO2貯留予測シミュレーション
②地下貯留層評価
④モニタリング/モデルキャリブレーション

 

 

4.施設技術の取組内容
多様な上流油ガス田の仕様(インプット)、需要側の要求(アウトプット)を踏まえ、最適なCCSプロセスを事業パートナーと検討、評価。CO2分離回収技術やGTL(Gas To Liquid)など、JOGMECの保有技術を最大限活用するとしている。

 

 

5.現在実施中の主なプロジェクト
①東南アジアにおけるCCSを用いた高濃度CO2含有ガス田開発計画の策定
【案件概要】
・東南アジア海上の高濃度CO2含有ガス田(~50%)から排出されるCO2を地上で分離し近傍の海洋枯渇ガス田へ再圧入するCCS計画。
・生成されるガスは製品として出荷する。また、その一部は水素に転換して日本への持ち込みを検討。
・現在、JX石油開発と協力し、複数ガス田の評価を実施中。今後、FEED、FIDに向けて検討を進める予定。
②帯水層CO2圧入のシミュレーション分析(Sleipnerデータを用いた新しいシミュレーション手法検討)
【案件概要】
・ハリバートン社と協力し、ノルウェー海上におけるSleipnerCCS projectの実データを用いて、帯水層におけるCO2圧入のシミュレーションを実施。
・石油開発において通常使用されるモデルとは異なるシミュレーションモデルを用いて、従来のJOGMECの分析手法を改良。より高精度に圧入CO2の挙動をシミュレートするためのワークフローの構築を目指す。
・今年度中に成果発表予定。

 

※上記の他、日本国内、ロシア、中東、豪州、アジア、北米等で事業検討中

 

 

6.今後の重要テーマ
①CCS事業の経済性向上
プロジェクト全体の経済性を向上させるためにはCCSに要するコストを可能な限り削減していくことが必要。技術開発や全体システムの最適化によるコスト低減に取り組んでいく必要がある。

 

②CO2削減量/貯留量の算定、国際調和
CCSによる事業全体のCO2削減量やCO2 貯留量を評価する仕組みと、評価手法の国際的な調和が重要。今後海外の資源エネルギー関係機関と連携し、日本企業が推進するCCS事業の有効性や信頼性の向上に寄与するための認証機能・機関の形成が必要。
(注)海外における取組例:カナダ・アルバータ州では、CCS事業者がCO2削減量を算定した後、同州エネルギー省下の地下資源監督庁(AER)が、CO2削減・貯留にかかる方法論をレビュー、削減量の認定を行っている

 

③長期CO2貯留安定性
CO2を長期で貯留する地層能力の評価、長期のCO2挙動の予測技術の向上、適切なモニタリング手法の確立等により、長期安定性を検証し、信頼性を高めていく努力が必要。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。