NEXT MOBILITY

MENU

2021年7月19日【SDGs】

川崎重工、明石工場で蓄電ハイブリッドシステムを実証

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

川崎重工は7月19日、明石工場の自家発電設備(当社製高効率ガスタービン「M1A-17D」)にリチウムイオン蓄電池と太陽光パネルを組み合わせ、蓄電ハイブリッドシステムの実証試験を開始したと発表した。

 

このシステムは、ガスタービン発電の排熱を利用した熱エネルギー供給と、太陽光発電やガスタービン発電、リチウムイオン蓄電池の充放電により、ユーザーの熱と電気の使用状況に応じた最適なエネルギー供給を実現する。

 

 

M1A-17D

 

 

■システムの特長

(1) 余剰電力の蓄電による省エネルギー
・熱需要に合わせてガスタービンを運転した際に発生する余剰電力は、蓄電池に充放電することで、有効利用が可能となる。また、余剰電力の効果的な売電への貢献も可能。
(2) 仮想同期発電機制御(VSG)を搭載
・発電機特性を模擬することで、再生可能エネルギーと協調した自立運転を実現。
・系統連系運転と自立運転の無瞬断切替により、無停電で電力供給を継続。

 

(3) 事業継続計画(BCP)の実現
・停電時に、蓄電した再生可能エネルギーの電力でガスタービンのブラックアウトスタートが可能。
・再生可能エネルギー、ガスタービン、蓄電池の充放電によって、停電時エリアへの給電が可能。
(4) 計画値同時同量制度への対応
・蓄電池システムを監視・制御し、ガスタービンと蓄電池の協調制御を行う統括制御装置により、計画値同時同量を実現。

 

実証では、システムの安定性や運用性についての機能確認に加え、再生可能エネルギーと協調した自立運転を実現するための自社開発した仮想同期発電機制御(VSG)の評価も行う。このシステムの蓄電池およびガスタービン発電の最適な制御により、設備導入者は、太陽光発電をはじめとする気象条件で発電出力が変動する再生可能エネルギーの有効活用や、電力の需給調整市場への効果的な電力の販売による収益向上が可能となる。

 

川崎重工では、実証で得られた知見を活かし、環境負荷の低減、低炭素・脱炭素の実現に向けた市場ニーズに的確に応える製品・システムの開発をすることで、地球環境の未来に貢献していくとしている。

 

蓄電ハイブリッドシステムの模式図

 

 

■仕様表

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。