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2019年7月17日【オピニオン】

BMW AGのクリューガー社長退任、後任はオリバーツィプセ氏

坂上 賢治

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 米国時間の7月16日、BMW AGの監査役会は米国サウスカロライナ州北西部のスパータンバーグで行った監査役会に於いて、オリバー・ツィプセ(Oliver Zipse・55歳)の社長就任を承認した。(坂上 賢治)

 

現社長で過去5年間同職の任に就き、本来は同社若手の急上昇株であった53歳のハラルト・クリューガー(HaraldKrüger)氏は監査役会に対して、去る7月上旬の時点で現職の任期延長を希望しない旨を伝えていたことを踏まえて社長職を辞し、今年8月15日に退任する。

 


8月に社長職に就くオリバー・ツィプセ(Oliver Zipse・55歳)氏

 

これに伴い監査役会から新たに指名されたツィプセ氏が、後任の社長職に就くことになった。

 ツィプセ氏は2015年に取締役会のメンバーとなり、現在、同社グループの生産部門で取締役の任を担っている。この生産担当からの社長就任という昇格ルートは、ノルベルト・ライトホファー氏からクリューガー氏へと続くBMW AGとしては順当な人事にあたる。

 


7月に退任の意志を表明していたハラルト・クリューガー(HaraldKrüger・53歳)現社長

 

同氏は1991に研修生としてBMWに籍を置いたことを皮切りに、プラントオックスフォードのマネージングディレクター、プロダクトストラテジー部門でシニアバイスプレジデントを務めるなど、様々な管理職を歴任してきた同社生え抜きのプロパー人材だ。

 


監査役会会長のノルベルト・ライトホーファー(Dr.Norbert Reithofer)博士

 

 ハラルト・クリューガー氏の前任CEOであった現・監査役会会長のノルベルト・ライトホーファー(Dr.Norbert Reithofer)博士は「8月からは、分析に基づく事業戦略を駆使する新リーダーが当社グループの社長に就任します。

私たち全員が、彼をバックアップしていくことでBMWグループが大きく躍進することに期待を膨らませています」と電気自動車、自動運転などのCASE領域や、MaaS分野での飛躍に期待を寄せている。

 

ただ経営トップとしての抱負や、事業計画については今の段階では取締役会もツィプセ氏も沈黙を守っている。

 

 ちなみにBMWの客観的な事業状況は、電動量産車「i3」を引っ提げて、EV開発で一時は世界の最先端を走っていたが、米テスラを筆頭に多くEV後発メーカーの後塵を拝する状況に陥っている。

 

 

今は電動・化石燃料ユニットを組み合わせたハイブリッドモデルに肩入れしているのだが、実際には、XシリーズなどのSUVモデルが収益の屋台骨を支えており(収益の43・7%)、さらにクリューガー氏主導によるダイムラーとの提携事案では、持ち前の技術力の高さを充分にアピール出来ずに来ている。

 

加えて2018年の純利益が前年比17%減(売上高営業利益率9・2%)の72億700万ユーロ(約9100億円・売上営業利益率7・2%)であったこと。さらに2019年はこれがさらに減少する(売上高営業利益率6~8%)ことにより、2022年までに120億ユーロ(約1兆5000億円)のコスト削減を進める。

 

 

対して自動運転領域の研究投資では、巨額コスト負担を抱えているのだが、それでもその規模は国内競合のVWグループ(2023年迄で5兆6000億円)の半分のレベルに留まっていることなどから、ここのところ株式市場では2015年時点で124ユーロだった株価が78ユーロに急降下し低迷(独経済誌Finanzen Verlag調べ)している。

 

 また併せて同社監査委員会は、米国での事業動向並びにグループに於ける世界最大規模のスパータンバーグ工場での車両生産計画についても話し合い、将来に向けて、プレミアム分野での同社のリーダー的役割を強化し、長期的な成功への道を歩み続けることを誓い合った。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。