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2020年7月10日【エネルギー】

国交省と経産省、中型自動運転バスの実証実験開始

坂上 賢治

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 経済産業省と国土交通省は昨年度、中型自動運転バスによる実証実験に向けた5地域のバス運行事業者を選定・準備を進めてきたが、7月12日から滋賀県大津市地域で。さらに7月20日からは兵庫県三田市地域でこれらの実証実験が開始される。さらに残りの3地域でも順次実証実験を行うと7月10日に発表した。(坂上 賢治)

 

 

両省によるこの実証は産総研(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)への委託を介して〝高度な自動走行・MaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業:専用空間における自動走行等を活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証〟と題して実施されるもの。

 

 具体的には「自動運転におけるバスモデルを確立するため、多様な走行環境において実証を行う」としていて先の通り、昨年度に中型自動運転バスとしていすゞ自動車のエルガミオをベースに2台を開発した(全長:9m・全幅:2.3m・全高:3m・最高速度50km/h。乗車定員56人。座席28人/乗車は安全確保のため着座のみ。但し座席数は地域によって、車両登録時に変更の可能性あり)後、全国から実証実験を実施するバス運行事業者を公募した。

 

その公募から5地域のバス運行事業者を選定して、各地域で走行環境の準備を進めてきた経緯がある。また今年2月には福岡県北九州市・苅田町地域で小型自動運転バスを用いたプレ実証も行った。

 

 実証実験の開始と進捗スケジュールは、選定5地域のうち7月12日からは滋賀県大津市地域にて。7月20日から兵庫県三田市地域にて。残る3地域は順次実証実験を行っていく予定。なお今実証実験では、中型自動運転バスの技術面での検証だけではなく、実際に乗客に乗っ貰い、事業面での検証も行う。

 

(1)中型自動運転バスの実証実験を行う地域、バス運行事業者等、実証期間は以下の通り

実証実験を行う地域/バス運行事業者等/実証期間(予定)
– <1−1>滋賀県大津市 大津市/京阪バス(株)/7月12日~9月27日(予定)
– <1−2>兵庫県三田市/神姫バス(株)/7月20日~8月23日(予定)
– <1−3>福岡県北九州市・苅田町/西日本鉄道(株)/9月上旬~11月下旬(準備期間含む)
– <1−4>茨城県日立市/茨城交通(株)/10月上旬~来年3月上旬※
– <1−5>神奈川県横浜市/神奈川中央交通(株)/12月上旬~来年3月上旬(準備期間含む)

 

(2)各事業者の実施内容について
<1−1>京阪バス株式会社:大津市(滋賀県大津市)
…7月12日(日曜日)から9月27日までの予定
※出発式は7月11日(土)10:00からJR大津駅北口(びわこ口)駅前広場にて開催予定
(出発式問い合わせ先:大津市建設部地域交通政策課 TEL 077-528-2736)

 

<1−2>
神姫バス株式会社:(兵庫県三田市)
…7月20日(月曜日)から8月23日までの予定
※出発式は7月19日(日)10:00からウッディタウン市民センター 芝生広場にて開催予定
(出発式問い合わせ先:三田市役所 交通まちづくり課 TEL 079-559-5058・FAX079-559-7400、実証実験URL: https://www.city.sanda.lg.jp/kotsu/aoutonomous2020_2.html

 

<1−3>
西日本鉄道株式会社:(福岡県北九州市、苅田町)
…9月上旬から11月下旬までの予定(準備期間を含む)

 

<1−4>
茨城交通株式会社:(茨城県日立市)
…10月上旬から3月上旬までの予定(準備期間を含む)

 

<1−5>
神奈川中央交通株式会社:(神奈川県横浜市)
…12月上旬から3月上旬までの予定(準備期間を含む)

 

(留意点1)なお今後の実証実験の開始に伴い、各バス運行事業者が出発式を開催する予定。出発式の詳細については、各バス運行事業者のプレスリリースまたはHPなどを参照されたい。また上記の実証開始時期は新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより変更となる場合がある。

 

(留意点2)加えて一般が参加可能ではあるが実証実験の記録と分析のために、ドライブレコーダー等で車内外の映像を録画される。記録した映像データは、法令により定められる場合を除き第三者に提供することはない。実施に掛かるスキームは以下の通り。実証コーディネーター:日本工営(株)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。