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2018年3月26日【経済・社会】

国交省、日産自動車の型式指定車の完成検査に係る不適切事案への対応を発表

NEXT MOBILITY編集部

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日産自動車・グローバル本社

 

国土交通省は、3月26日、日産自動車の一連の完成検査に係る不適切事案について、立入検査および、同社から提出された報告書を精査した結果を踏まえ、同社に大臣名で型式指定に関する業務改善指示書を交付した。

 

また、道路運送車両法違反(完成検査の一部未実施)による過料適用のため、横浜地方裁判所に通知を行った。

 

国土交通省・ロゴ

1.型式指定に関する業務改善指示書の交付

 

日産自動車の一連の完成検査に係る不適切事案について、昨年9月以降国土交通省が同社に対して行った立入検査ならびに、昨年11月17日付で同社から国土交通省に提出された報告書について精査を行った結果として、3月26日、同社の取締役社長に対して、大臣名で型式指定に関する業務改善指示書を交付し、以下の指摘を行った。

 

・実態を伴わない完成検査に関する実施細則を届け出ることにより、数多くの型式指定を受け続けたこと

 

・各工場の管理者及び日産本社が現場の実態を把握・管理できておらず、昨年9月の立入検査時の不適切対応に関しても、各工場に対し速やかに的確な指示を出さなかったこと

 

国交省は、以上の2点について、極めて不適切であり、これらを踏まえると、一連の不適切事案については、経営層を含め日産組織の責任は極めて大きいとしている。

 

また、同指示書では、日産自動車に対し、上記指摘を踏まえて報告書で示された再発防止策について必要な見直しを行い、その後の再発防止策の実施状況等について四半期ごとに報告を行うことを求めている。

 

加えて、20日に公表した「適切な完成検査を確保するためのタスクフォース」の中間とりまとめを踏まえ、同社を重点的な監視対象とし、今後、改めて不適切な取扱いが判明した場合等、必要な場合においては、所要の措置をとるとしている。

 

2.完成検査の一部未実施に係る過料適用の通知

 

報告書の精査の結果、日産自動車の栃木工場で、平成26年1月25日から平成29年10月19日までに完成検査をした24,207台の型式指定車について、完成検査の一部である「車室外乗降支援灯(消灯)」の検査が行われていなかったことが判明。

 

このうち、自動車局長が同社に対して業務改善指示書を交付した平成29年9月29日以降に完成検査をした107台については、改善指示を受けたにもかかわらず完成検査業務の適正な実施がされていなかった。

 

同省は、この点で、今後の道路運送車両法令の適切な執行に影響を与えかねないという違反の重大性に鑑み、3月26日、国土交通省は、道路運送車両法第75条第4項違反による過料が適用されるよう、横浜地方裁判所に対し通知を行った。

 

型式指定に関する業務の改善指示(PDF):
http://www.mlit.go.jp/common/001227365.pdf

過料適用に関する参照条文(PDF):
http://www.mlit.go.jp/common/001227366.pdf

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。