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2023年2月1日【社会インフラ】

大阪府で空の道構築を目指し「空飛ぶクルマ」の公募実証実験

坂上 賢治

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運航管理実証試験所

 

テラドローン(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹)は三井物産、JAXA、 朝日航洋、小川航空、JR西日本イノベーションズとコンソーシアムを組成し、大阪府の公募事業「令和4年度 空飛ぶクルマ都市型ビジネス創造都市推進事業補助金」の〝エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業〟へ応募して採択。

 

これを受けて去る1月26日に、2025年の大阪・関西万博の会場近傍でエアモビリティ技術の実証を行うべく、空飛ぶクルマ(を模したヘリコプター)、ドローン、ヘリコプターを用いた共同実証実験を行った事を2月1日に報告した。

 

実証の概念図

 

実施概要
・日時:2023年1月26日(木)
・場所:大阪・関西万博の会場近傍(大阪府 大阪市 此花区 舞洲)
    運航管理実証試験所(大阪府 大阪市 住之江区 咲洲)
・内容:多種・多様運航統合技術システムの構築に必要な技術的検証

 

同実証では万博開催期間中の平時から緊急時に移行する状況を想定したシナリオに基づき、空飛ぶクルマ(を模したヘリコプター)、ヘリコプター及びドローンで飛行。

 

これにより運航管理実証試験所の情報提供・調整に基づき「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム」上で相互にデータ連携を行った。

 

更に咲州庁舎に設置した運航管理実証試験所の運航管理により、空飛ぶクルマ専用離着陸場である「V-port」と見立てた大阪ヘリポートとも連携しながら、協調的な運航管理のデモンストレーションを介して有効性について検証・確認した。

 

今回の共同実証の結果を踏まえ、多種多様な機体の安全かつ効率的な飛行の実現や、関係各所と密接に連携できる体制の整備、災害時や警備警戒時に適用出来るドローンの運用が可能である事を、技術的に証明する事が出来たとしている。

 

大阪ヘリポート:使用機材/ヘリコプター
空飛ぶクルマ(を模したヘリコプター):運航 小川航空株式会社

大阪ヘリポート:使用機材/ドローン
飛行中の警備ドローン

 

なおテラドローンは同実証に於いて、会場付近を飛行する警備ドローンを「Terra UTM(ドローンの運航管理システム)」を使いデータ集約を行った。

 

また集約したデータをJAXAが企業と連携して検討を進めている「多種・多様運航統合技術」と、その基盤技術である「災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)」をベースとした「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム」に連携させ、多種多様なエアモビリティの一元管理がサポート出来たという。

 

テラドローンとしては、「今後は、空飛ぶクルマの社会実装が実現する社会では、低高度の空域を多種多様な機体が飛び交い、空の高密度化が進むことが予想されます。

 

また、近年多発する災害現場ではヘリコプター及びドローンの利活用が増加しており、災害時に加えて万博等の国家イベントにおいても警備警戒等を目的に多種多様な航空機が多数飛行することが予想されます。

 

当社は今回の実証を足掛かりに、平時の輸送サービスだけでなく、有事(災害対応や警備/警戒現場)での活用が見込まれるドローンや空飛ぶクルマの運用技術の蓄積。

 

加えてその他、多種多様なエアモビリティが同一の空域で協調しながら安全に活動できる社会の実現に貢献し、日本のエアモビリティ社会の到来を牽引する民間事業者のパイオニアとして事業を推進して参ります」と話している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。