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2023年10月12日【IoT】

パナソニック傘下のブルーヨンダー、英ドドルを買収へ

坂上 賢治

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パナソニック・コネクト傘下のBlue Yonder(ブルーヨンダー/本社:米国アリゾナ州スコッツデール)は10月11日(英・ロンドン時)、Tim Robinson氏(ティム・ロビンソン)とLloyd Dorfman氏(ロイド・ドーフマン)の両名により共同設立された物流ソリューション企業Doddle社(ドドル)との買収協議で合意した。

 

このDoddle社は、英国ロンドンに本社を置き、米国、オーストラリア、ヨーロッパ、日本など全世界に拠点を展開。ファーストマイル(生産拠点から一次流通倉庫までの輸送)から、ラストマイル(配送センターや倉庫などから最終顧客への配送)に亘るサプライチェーン全域で、独自のノウハウを持つテクノロジープラットフォーム企業だ。

 

 

同社のソリューションは、AmazonやAustralia Post、ヤマト運輸などの大規模配送ネットワークを支援。エンドツーエンドの返品管理、ドロップオフの自動化、宅外ネットワークの運営・管理などをフルカバーしている。

 

そんなDoddle社の目標は、宅配業者や小売業者に対してeコマースをより効率的で持続可能なものとし、消費者により良い購買体験を提供することにある。そのために保持している様々なソリューションは、流通網ビジネの知見に基づき継続的に刷新・更新され、消費者側のユーザージャーニーも常に最適化され続けている。

 

今回のBlue Yonderよる同社買収によってBlue Yonder側は、流通網に係る取り扱い製品(サプライチェーンマネジメントやeコマースソリューションツール)が強化される。

 

具体的にはDoddle社の機能を利用し、小売業者や物流サービスプロバイダーへ向けたビジネスを強化。小売業者や物流会社の返品管理などに於いても有益なソリューションが提供できるようになるため、これまで以上の持続可能なサプライチェーンの構築支援ができるようになる。

 

同買収についてBlue YonderのDuncan Angove(ダンカン・アンゴーヴ)CEOは、「Doddle社は、ファーストマイルやラストマイルに加え、オムニチャネルでも返品の課題を解決するなど、他社が克服できなかった事案の解決をことごとく成し遂げました。

 

そんなDoddle社の真の強みは、返品の開始から返品ルールの策定、店頭での返品処理、セルフサービス上でのキオスク、そして倉庫での返品処理、在庫に戻すなどの一連の輸送・配送プロセス上の課題を、エンドツーエンドで自己解決できる点にあります。

 

彼らのソリューションは、他社には無い優れた顧客体験を実現し、サプライチェーン分野の変革を目指す私たちの事業は大きく前進することになるでしょう」と述べた。

 

ちなみに全米小売業協会 (NRF: National Retail Federation)によると、2022年には消費者から8,160億ドル相当以上の商品が返品され、その返品された商品の約50%しか店頭に戻らないとする試算がある。

 

従って返品管理は顧客の購買体験の向上みならず、流通網全体の収益性にも大きく影響を与えることが認識されるようになっており、返品は、小売業者や物流会社・消費者のいずれの側にとっても面倒な課題となっている。

 

そうした環境下でDoddle社は、顧客企業に対してコストと在庫の無駄を削減するシームレスなソリューションを提供している。

 

ゆえに今買収により両社は、包括的なサプライチェーン全域で、他社では成し得ないソリューションを持つ企業となる。

 

つまり小売業者、物流会社、郵便事業者はBlue Yonderの倉庫管理システム(WMS)、注文管理システム(OMS)、輸送管理システム(TMS)に加え、事業コスト削減でも成長の可能性を享受できるようになるのだ。

 

対してDoddle社は、Blue Yonderのソリューションを取り組むことで、顧客とのエンゲージメントから店舗、フルフィルメントセンター介した物流に至るネットワークを100%管理し、リバースロジスティクス、輸配送の集約、在庫の把握に必要なエコシステムを形成できるようになる。

 

Doddle社の創設者兼CEOであるTim Robinson氏(ティム・ロビンソン)は、「現在、世界中で900 社以上の小売業者や物流会社が我々のサービスを利用し、当社はファーストマイルからラストマイルに至るサプライチェーン全域での課題解決に貢献しています。

 

しかしながら以前より、より完璧な課題解消には、より強力なサプライチェーン構築のための新たなソリューションの必要性を認識していました。

 

そうしたなかBlue Yonderが持つ専門知識と深く連携することで、より多くの企業の課題解決を支援できることでしょう」と語っている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。