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2024年4月25日【MaaS】

新東名の建設区間で自動運転時代に向けた路車協調実証へ

坂上 賢治

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路車協調実証実験で検証するユースケースの一例

 

NEXCO(中日本高速道路)中日本は4月25日、自動運転時代に向けて路車間通信(V2I/Vehicle to Infrastructure/車両とインフラ設備の無線通信)を活用した安全・安心・快適に走行できる高速道路空間の実現を目指していることから、E1A 新東名高速道路(新東名)の建設中区間を、実証フィールドに見立てた路車協調実証実験(10のユースケースに対して全10企業・団体が参加し計23件の実証実験を行う)を5月13日から実施する。

 

1.実証実験概要
項目:内容
参加企業・団体:全10企業・団体
実施期間:2024年5月13日(月)から7月末ごろまで(約3カ月間)
実験区間:E1A 新東名 新秦野インターチェンジ(IC)~新御殿場IC

 

 

2.実証実験を行うユースケース
NEXCO中日本が提示した7のユースケースに、参加企業・団体から提案のあった3のユースケースを加えた10のユースケースについて計23件の実証実験を行う。

 

ユースケース:ユースケースの内容
ユースケース1(計5件):車のセンサーにより検知した前方の障害情報を即時に後続車に通知するとともに、道路側の監視カメラでその事象を確認し、確定情報(落下物・事故など)として後続車へ通知するもの。

 

ユースケース2(計6件):道路側のアンテナで車のブレーキやワイパーなどの作動情報を収集・解析し、気象や路面の状況変化を即時に後続車に通知するとともに、道路側の監視カメラで事象を確認した後、確定情報(大雨や降雪、路面凍結など)として後続車へ通知するもの。

 

ユースケース3(計4件): 車のセンサーにより検知した、区画線のかすれ、剥離などを後続車に通知することで、後続車に自動運転から手動運転への切り替えを通知するもの。収集したデータは道路の維持管理情報として補修などに活用するもの。

 

ユースケース4(計1件):自動運転機能の故障などにより路肩に緊急停止した車両を遠隔操作により最寄りのICやサービスエリアなどへ誘導するもの。

 

ユースケース5(計2件):交通状況(渋滞・通行止めなど)をリアルタイムに把握することで、前方の交通状況に応じた最適なルートを後続車へ通知するもの。

 

ユースケース6(計1件) :交通状況(渋滞などの車群)をリアルタイムに把握することで、前方の交通状況に応じた最適な車線、速度、車間を後続車へ通知し、渋滞の緩和や発生を未然に防ぐもの。

 

ユースケース7(計1件):車両から目的地情報を収集することで、目的地毎の追随走行(マッチング)や車両の台数、車間などを管理するもの。

 

提案ユースケース1(計1件):風除け走行先行車について、走行速度、走行車線及び車線変更状況からその適性を診断するもの。

 

提案ユースケース2(計1件):ハイウェイオアシスなど広い駐車場内を自動運転車が運行することで、商業施設やトイレから離れた場所に駐車したお客さまの利用効率や利便性を向上させるもの。

 

提案ユースケース3(計1件):インフラ側センサーの検知範囲を走行する全ての車両の位置情報にドライバー特性などを組み合わせることで事故リスク(危険回避)情報を生成し、提供するもの。

 

 

実証実験 参加企業・団体一覧(会社名は五十音順) 

No1
代表会社名_沖電気工業
参加会社名 ― 
実証実験をおこなうユースケース:ユースケース 1/ユースケース 2/ユースケース 3

 

No2
代表会社名_KDDI
参加会社名 ― 
実証実験をおこなうユースケース:ユースケース 3/ユースケース 4

 

No3
代表会社名_交通総合研究所
参加会社名
– いすゞ自動車
– オリエンタルコンサルタンツ
– 京セラ
– 住友電気工業
– 先進モビリティ
– トヨタ自動車
– 豊田通商
– 日野自動車
– 三菱ふそうトラック・バス
– UD トラックス
実証実験をおこなうユースケース:ユースケース 1/ユースケース 2/提案ユースケース 1

 

No4
代表会社名_ソフトバンク
参加会社名
– 本田技研工業
– 本田技術研究所
実証実験をおこなうユースケース:提案ユースケース 3

 

No5
代表会社名_名古屋電機工業
参加会社名 ― 
実証実験をおこなうユースケース:ユースケース 2

 

No6
代表会社名_日本電気
参加会社名 ― 
実証実験をおこなうユースケース:ユースケース 5/ユースケース 6

 

No7
代表会社名_富士通
参加会社名 ― 
実証実験をおこなうユースケース:ユースケース 1/ユースケース 2/ユースケース 3/ユースケース 5

 

No8
代表会社名_古河電気工業
参加会社名 ― 
実証実験をおこなうユースケース:ユースケース 1/ユースケース 2/ユースケース 3

 

No9
代表会社名_三菱重工機械システム
– 参加会社名 Spectee
実証実験をおこなうユースケース:ユースケース 1/ユースケース 2/ユースケース 7

 

No10
代表会社名_三菱電機
参加会社名 ― 
実証実験をおこなうユースケース:提案ユースケース 2

計 23 件

 

 

3.その他
実証実験は、国土交通省、国土技術政策総合研究所、NEXCO東日本、NEXCO西日本およびNEXCO総研と連携して実施するものであり、実験の結果を踏まえて、高速道路における将来の路車間通信の仕様などを検討していく。

 

なお、今回の実証実験はE1A 新東名の駿河湾沼津サービスエリア(SA)~浜松SA間約100kmで今年度末から 実証実験が計画されている国の「デジタルライフライン全国総合整備実現会議」のアーリーハーベストプロジェクト(自動運転レーン)の実証に活かしていく予定。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。