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2021年9月11日【イベント】

WRC第9戦2日目はロバンペラがトップ、オジェが3番手

坂上 賢治

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アクロポリス・ラリー・ギリシャの デイ2、選手権リーダーのオジエは僅差の総合3位

 

 2013年以来の8年振りにWRCカレンダーに復帰する事になった世界ラリー選手権第9戦ギリシャ(アクロポリス・ラリー・ギリシャ)は9月9日、首都アテネの市街地ステージが皮切りとなり、翌10日の午前からのデイ2を迎えて以降、その舞台は本格的なグラベル(未舗装路)ステージに突入した。

 

 

 この日は、アテネからサービスパークが置かれているラミアに戻る行程中で、SS2~6までの5本・都合89.4kmのステージを日中のサービスを挟まずに消化された。このステージを通して、気温は30度水準にまで上昇。これに伴い路面コンディションがドライ状態となった事から、同ステージでは出走順が早い選手ほど不利な走行条件となった。

 

 そうしたなかでドライバー選手権首位を走るセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)が出走順で先陣を切る事になり、ステージ上の砂利や石を履き飛ばす掃除役となった。それでもオジエは、オープニングのSS2でトップタイムを刻んだオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)に0.2秒落ちの2番手タイムをマークして総合首位の座を堅持。対してオット・タナクが、ステージベストを刻んだ事で総合2番手に浮上した。

 

 

 しかし続くSS3以降は、カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)がラリーの牽引役として活躍、これに2番手タナク、3番手オジエが続く。その後、エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)がギアボックストラブルでペースダウン。さらにTC(タイムコントロール)への遅着ペナルティも重なり5分弱の後れを取った。

 

この最中に於いてドライバー選手権で総合3位につけるティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)は、SS3終了後にエンジンが始動しないというトラブルの憂き目に遭う。その後、なんとかラリーを続けられる状態で復帰出来たものの、パワーステアリングトラブルで順位を落とす。

 

 

 この日の結末は、最終ステージのSS6でピエール・ルイ・ルーベ(ヒュンダイi20クーペWRC)がクラッシュした影響でノーショナルタイム(SSが中断された場合に走行できなかった出場者に与えられるタイム)が与えられた事で、ここまでステージ2番手に付けていたタナクが再逆転。最終的にはカッレ・ロバンペラが首位、これに3.7秒差の総合2番手にタナク、さらに0.2秒の僅差でオジエが続く結果となった。

 

これ以降の総合4番手はダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)、総合5番手はアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタWRC)、6番手はガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)。7番手はWRC2クラス首位のマルコ・ブラシア(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)、8番手は同クラス2番手のアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)、9番手はWRC3クラス首位のクリス・イングラム(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)が続いた。

 

 

ヤリ-マティ・ラトバラ(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team代表)
今日のパフォーマンスにはとても満足しています。クルマもドライバーも、予想していた以上に速かったです。路面は大量のルーズグラベルで覆われていたので、早い出走順でステージに臨むのはさぞかし難しいだろうと考えていましたが、思っていた以上にうまく行きました。

 

カッレが攻めの走りでトップに立ったのはとても良かったですし、セブも素晴らしい走りを見せてくれました。エルフィンもまた、序盤は素晴らしいスピードで走っていたので、技術的な問題が起きてしまったことがとても残念ですし、申し訳なく思います。最初のステージを走り終えた後、突然ギヤチェンジに関する問題が発生したのですが、その原因はまだ分かりません。

 

本当に悔しかったと思いますが、それでもリタイヤすることなく走り続け、1日の最後のサービスまでクルマを持たせてくれました。このようなファイティングスピリットがあれば、ポイントを獲得することもできるでしょう。明日は今大会最も長い1日で、レッキの時のコンディションを考えるとかなり大変だと思いますが、自信はあります。

 

 

セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC/1号車)
総合3位につけ、トップに近い位置で1日を終えられたことを嬉しく思います。もちろん、今朝スタートする時は自分の出走順やコンディションを考えてかなり悲観的になっていましたが、それでもベストを尽くして走り、トラブルとも無縁でいられました。

 

いくつかのセクションでは本当に限界ギリギリでしたし、道が荒れていたところではクレバーに走りましたが、運転はとても楽しく感じられました。面白いことに、唯一楽しめなかったのはベストタイムを獲得したSS5で、グリップがまったく安定していませんでした。

 

チャンピオンシップ争いではいい位置につけているので、優勝争いを意識せず、大きなリスクを負う事なく走り、自分自身の戦いに集中しなくてはなりません。ただし、今日はクルマのフィーリングがとても良かったので、そのような状態であれば攻めの走りをすることも可能です。

 

 

エルフィン・エバンス(ヤリスWRC/33号車)
もちろん、今日は望んでいたような一日ではありませんでした。問題を解決するためにできる限りのことをしようとしましたし、並行してチームも一生懸命解決策を探してくれましたが、このような状況でできることは限られていたので、午後のステージは悔しい気持ちで走り続けました。

 

唯一ポジティブなのは、今晩サービスを受けられるということです。ドライバー選手権争いについては今朝よりも状況が悪くなってしまいましたが、ラリーではこのようなことも起こりますし、このチームでは本当に稀なことです。私がチームに加入してから今まで、こういった技術的なトラブルは一度も経験したことがなかったと思います。明日に向けて、クルマは完全に直ると確信しています。

 

 

カッレ・ロバンペラ(ヤリスWRC/69号車)
とてもいい1日でした。朝最初のステージは少し慎重に走りましたが、その後は少しずつプッシュできるようになり、楽しんで走ることができました。

 

路面は非常に難しいコンディションで、自分の前を走る予定だった選手達が後退し、途中で出走順が2番手になって以降は、かなり多くのルーズグラベルを掃き飛ばしながら走らなければなりませんでした。ドライになった今日の路面は、予想を越えるコンディションでしたし、2回目に走ったステージは本当に荒れていたため、クルマとタイヤをケアしながら走る必要がありました。

 

明日は、今週前半にレッキをした時とは天気が大きく異なるので、今日とは全く違う展開になるかもしれません。1本のステージはほぼ深い霧の中でレッキを行いペースノートを作成したのでとても大変でしたし、グリップが変化する場所が増えたり、湿っている場所が変わっているかもしれません。

 

 

アクロポリス・ラリー・ギリシャ デイ2の結果
(1) カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン/トヨタ ヤリスWRC/ 1h01m57.1s
(2)オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ/ヒュンダイ i20クーペ WRC/+3.7s
(3)セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア/トヨタ ヤリス WRC/+3.9s
(4) ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ/ヒュンダイ i20クーペ WRC/+23.9s
(5)アドリアン・フォルモ−/ルノウ・ジャムール/フォード フィエスタ WRC/+54.2s
(6)ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン/フォード フィエスタ WRC/+1m23.3s
(7)マルコ・ブラチア/マルセロ・デル・オハネシアン/シュコダ ファビアRally2 Evo/+2m40.9s
(8)アンドレアス・ミケルセン/エリオット・エドモンドソン/シュコダ ファビア Rally2 Evo/+2m46.3s
(9)クリス・イングラム/ロス・ウィトック/シュコダ ファビア Rally2 Evo/+2m52.7s
(10)カイエタン・カイエタノビッチ/マチェック・シュツェパニアック/シュコダ ファビアRally2 Evo/ +3m03.1s
(16)エルフィン・エバンス/スコット・マーティン/トヨタ ヤリス WRC/+4m46.7s

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。