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2019年6月27日【テクノロジー】

SBドライブ、ハンドルがないバスの公道自律走行を実証

坂上 賢治

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 ソフトバンク株式会社傘下のSB ドライブ株式会社(本社:東京都港区、代 表取締役社長 兼 CEO:佐治 友基)は6月27日、自動運転を前提に設計されたハンドルな どがないバス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ/仏 Navya社製)」の公道での走行実証を開始すると発表した。(坂上 賢治)

 

これを前提にSBドライブは、国土交通省関東運輸局長から道路運送車両の保安基準第55条による基準緩和認定を受けるため同車両を改造。公道での走行実証を行うべく車両の新規登録(ナンバーの取得)を行った。

 

具体的には7月3日から5日の3日間にわたって、東京都港区のイタリア街でこの「NAVYA ARMA」の自律走行の実証を行うとしている。

 

使用される「NAVYA ARMA」の仕様は、乗車定員11人(運転手を含む) 、搭載動力は電動機(定格出力15kW×1基)、車両寸法は全長 4.76m、全幅2.11m、全高2.65m、車両重量2,470kg。

 

 

GPSで自車位置を測定し3D LiDAR(レーザースキャナー)などで障害物を検知。あらかじめ設定したルートを低速で自律走行することが可能。今回は、走行速度や車両に設置されたセンサーによる障害物の検知範囲などをSBドライブが走行環境に合わせて設定する。

 

走行中の取得情報などは、同社の自動運転バス運行用プラットフォーム「ディスパッチャー(Dispatcher)」と連携させる。この自動運転バス運行用プラットフォームを通して遠隔から車両走行を監視する他、車両の停止・発進、運転手への指示を行う事もできる。

 

具体的な運用方法では、事前に国土交通省や警察庁などの関係各所と検討。同件での共同研究先である東京大学・生産技術研究所の中野公彦研究室と協議の上、実証車両に訓練を受けた運転手(SBドライブの社員)と、その運転手を補助する保安要員が乗車する。これにより緊急時には手動運転に切り替えるなど、万が一の不測の事態に備える構え。

 

日本国内に於いて自動運転を前提に設計された車両が、一般車両の進入を制限する専用空間ではなく、全くの一般公道を走行する実証は国内で初の事となる。

SBドライブは直近でも、去る3月23日から4月5日まで鳥取県八頭町で日野ポンチョをベースとする自動運転バス車両で、実証実験を実施するなど精力的に車両運用を伴う取り組みを重ねてきたが「今後もNAVYA ARMAの公道での走行実証を積極的に進め、自動運転バスの社会受容性の拡大と事業化に取り組んでいきます」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。