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2018年12月21日【エネルギー】

スマホ運転「撲滅に全力!」改正道交法試案で大幅な罰則強化

中島みなみ

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撮影=中島みなみ 

 

 「携帯電話を使用しながらの運転は重大な事故につながるたいへん危険な行為。そのことに対して警察は積極的な指導・取締りを行っている。道交法改正試案では罰則の強化を盛り込んでいる」

 

山本順三国家公安委員長は21日の閣議後会見で、2019年の道路交通法改正試案に盛り込まれた運転中の携帯電話使用対策について、先のように話した。

 

 改正試案の大きなポイントは、自動運転の実用化に対応する初めての規程を盛り込んだことだが、携帯電話の使用等でも変更が予定されている。自動運転中の携帯電話の使用禁止を除外する反面、人が判断した現状の運転では、携帯電話使用中の運転に対して大幅な罰則強化を打ち出した。

 

運転中の携帯電話使用で危険性を生じさせた場合(携帯電話使用等・交通の危険)は、1年以下の懲役または罰金30万円になる。通話や画面操作を行うだけ(携帯電話使用等・保持)でも、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金だ。現行では(交通の危険)は懲役3か月または罰金5万円、(保持)では懲役はなく、5万円以下の罰金だった。

 

また、これまでは(交通の危険)と(保持)の両方に反則金制度があったが、前者は非反則行為になり、罰金以上のペナルティに変わる予定だ。また(保持)の場合の反則金限度額が引き上げられ、大型自動車では1万円から5万円、普通自動車8000円から4万円になる。

 

改正案が成立後に、政令で実際の反則金を決めるが、予定では大型自動車2万5000円、普通自動車1万8000円、自動二輪車1万5000円になる予定。

 

 さらに、携帯電話を使用しながら人身事故を起こした場合は、免許効力の仮停止の対象になる予定だ。免許停止などの行政処分は、通常は違反行為が確定した後に執行されるが、免許仮停止は事故を起こしたその場で免許証の提出求められて、30日間の免許停止となる。

 

「クルマを運転する事例が増え、その結果としての事故も増えている。携帯電話を使いながら運転することの撲滅に全力をあげていきたい」(山本氏)

警察庁は21日、試案概要をホームページで公表。12月25日~1月23日まで30日間、パブリックコメントを求める。その後、改正案がまとめられ、2019年の通常国会に提出される。( 中島みなみ・中島南事務所/東京 文京)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。