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2021年8月29日【イベント】

TGR関口、WEC第4戦で2位。2戦連続表彰台獲得

NEXT MOBILITY編集部

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TOYOTA GAZOO Racing(以下「TGR」)は8月29日、スーパーフォーミュラの第5戦で、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が2位でフィニッシュし、2戦連続となる表彰台を獲得したことを発表した。

 

8月28日(土)、29日(日)の両日、前戦SUGOラウンドから約2か月の長いインターバルを経て、栃木県のツインリンクもてぎでスーパーフォーミュラの第5戦が開催された。次戦は10月開催のため、今季の同シリーズで唯一の真夏の戦いとなった。

 

今季、トヨタエンジン搭載勢は、雨天による短縮終了となった第3戦で、代役参戦のジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が勝利を挙げたのみと、厳しい戦いを強いられている。しかし、TGRは、第2戦2位の平川、第3戦3位の関口がそれぞれランキング4,5位、そして全戦ポイント獲得中の宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が6位につけており、今季は7戦中5戦の有効ポイント制ということもあり、残り3戦での逆転の可能性は残されており、タイトル獲得へ向け各チーム充分な気合いとともにこのもてぎ戦に臨んだという。

 

前週末に行われたWECル・マン24時間レースに出場し、見事1-2フィニッシュを果たした小林可夢偉と中嶋一貴は欠場となり、代役としてKCMGの7号車を小高一斗、36号車はアレジがドライブ。KONDO RACINGの4号車もサッシャ・フェネストラズに代わり中山雄一が出場した。

 

 

関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL 19号車)

 

 

■予選
28日(土)、気温36度と猛烈な暑さとなる中、午後2時半より、ノックアウト方式での予選が開始された。今大会の予選も、前大会に引き続き、Q1、Q2を2グループに分けて実施。Q1ではそれぞれ上位7台、Q2では上位4台ずつが次ラウンドへと進出し、最後は8台でQ3が争われる。

 

10分間で争われるQ1のA組では、山下健太(KONDO RACING)ら数台が序盤コースインしたもののすぐに戻り、セッション後半に、全車一発でのアタックを開始。チェッカーまで30秒というところで平川がまずトップにつけるも、その後タイムを伸ばしたライバルに先行され、平川は3番手。阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が4番手、アレジが6番手、山下はぎりぎり7番手でQ1を突破した。代役参戦の小高も好走を見せましたが、0.04秒及ばず8番手でQ2進出ならず。大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)も9番手敗退となった。

 

Q1のB組も、全車残り5分を切ったタイミングでアタックへ。坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)が好タイムを叩き出し3番手、宮田が5番手、関口が6番手。国本雄資(KCMG)はチェッカー後7番手タイムを出し、通過なるかと思われましたが、最後の最後に1台がタイムを更新し、国本は0.022秒差で押し出される形となり8番手で無念のQ1敗退。午前中のフリー走行でクラッシュを喫し、ダメージを負った車両を修復して予選に臨んだ中山は10番手で予選を終えた。

 

Q2のA組では、平川が1分32秒フラットの好タイムで2番手。Q3進出はそこから僅かコンマ4秒離れた、1分32秒4近辺に3台が並ぶ僅差の争いとなったが、阪口が4番手でQ3進出。山下は0.009秒及ばず5番手。そこから0.056秒遅れのアレジも6番手でQ3進出を逃した。

 

Q2のB組はさらにタイムが上がるハイレベルな争いとなり、7台中6台が1分31秒台に突入。全車チェッカー後に目まぐるしく順位を入れ替える展開となる中、1分31秒台に入れる好走を見せた坪井が押し出される形で6番手に落ち、無念の敗退。ここでは関口が気を吐いて2番手、宮田が4番手に入って2台がQ3進出を果たした。

 

トヨタエンジン勢が4台進出を果たしたQ3でも、関口が速さを見せ、惜しくもポールポジションには届かなかったものの、最前列2番手グリッドを獲得。宮田も好タイムで2列目4番手。平川が6番手、阪口も1分31秒台に入れたが8番手グリッドから決勝レースをスタートすることとなった。なお、宮田は冷却系の問題が発生しエンジンを交換したことにより、10グリッド降格のペナルティを受けたため、決勝は14番手からのスタートとなる。

 

 

関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL 19号車)

宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TOM’S 37号車)

 

 

■決勝
29日(日)、空にはやや雲がかかり、暑さは若干和らいだ気温31度、路面温度36度というコンディションで午後2時、35周で争われる決勝レースのスタートが切られた。

 

最前列2番手スタートの関口が順当なスタートを切ったその後方では、5番手グリッドの平川が抜群のダッシュを決め3位に並びかけたが、逆転には至らず、それでも4位へひとつポジションアップ。

 

中団グループでは、9番手スタートの山下がV字コーナーで他車と接触し、それを避けようとした中団グループ以下で混乱が発生し、巻き込まれた大嶋がここで無念のリタイアとなってしまった。

 

この混乱によりセーフティカーが導入され、5周目からレースが再開。再スタート後も各車大きな順位変動はなく、関口が2位、平川が4位、阪口が6位で上位を追う展開となった。

 

レース中に義務づけられているタイヤ交換が可能となる10周を終えたところで、2位走行中の関口が先陣を切ってピットイン。首位を行くライバルとの差を詰める作戦に出たが、翌周に首位車両もピットへ向かい、2台の順位は変わらず。

 

首位と2位関口の2台がピットインしたことで、2位へと浮上した平川はピットインを遅らせ、15周目に前車がピットインしたことで首位へ。これで前が空いた平川は16周目に自己ベストタイムを更新するなどペースを上げ、先にピットインしている実質上位勢との、見えない戦いを繰り広げることとなった。

 

レースは折り返しを過ぎ、残り10周を切った26周終了時に平川がピットイン。平川は4位でコースに復帰した。

 

交換したばかりの新しいタイヤの優位性を活かして平川は前との差を詰めていき、再三にわたる激しいプッシュを見せるも、逆転には至らず。

 

また、2位で首位を追い続けていた関口も、最終ラップに入ると、残っていたオーバーテイクシステムを全て放出。2秒以上あった差を1秒まで詰めたが、2位でチェッカーを受け、前戦SUGOに続く2戦連続の表彰台を獲得した。ランキングで3位に浮上し、逆転タイトルへの望みを残すこととなった。

 

追い上げのバトルで魅せた平川は惜しくも表彰台を逃す4位。阪口が5位と健闘。降格により14番手と後方グリッドスタートから追い上げた宮田が8位。宮田と激しいバトルを繰り広げた坪井が9位でフィニッシュし、ポイント獲得を果たした。

 

 

決勝スタートシーン

平川 亮(carenex TEAM IMPUL 20号車)

阪口 晴南(P.MU/CERUMO・INGING 39号車)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。