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2023年10月31日【エネルギー】

トヨタ、米車載用電池生産に約80億ドルを追加投資

坂上 賢治

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トヨタ バッテリー マニュファクチャリング(ノースカロライナ州)

 

トヨタ傘下のToyota Motor North America, Inc.(TMNA)は10月31日(米国ノースカロライナ州リバティ発)、北米の電池生産を担うToyota Battery Manufacturing, North Carolina(TBMNC/トヨタ・バッテリー・マニュファクチャリング・ノースカロライナ/TMNA90%・豊田通商10%出資)に約80億ドルを追加投資し、約3,000人の新たな雇用を創出させると発表した。

 

結果、上記投資を含めたTBMNCへの累計投資額は約139億ドル、雇規模では5,000人を超える予定。また今追加投資により、バッテリーEV(BEV)用電池の生産能力を増強。これにより世界規模で、車両電動化に対するトヨタのマルチパスウェイ戦略が更に強化されることになる。

 

これに伴い製造量が拡大するバッテリーユニットは、Toyota Motor Manufacturing Kentucky, Inc.(TMMK/トヨタ モーター マニュファクチャリング ケンタッキー)で生産する新型3列シートSUVのBEVに搭載する他、PHEV用電池の製造にも応えていく予定だ。

 

より具体的には、これまでに発表していた2つのBEV/PHEVバッテリー生産ラインに加えて、新たに8本の生産ラインを順次立ち上げ、BEV・PHEV用電池生産ラインを、来たる2030年までに計10ラインとすることで、年間30GWh以上の生産規模を実現させていく構えだ。

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こうした取り組みについてトヨタ・ノースカロライナ社のショーン・サッグス社長は、「今日の発表は、当該地域に雇用と将来の経済成長をもたらすことになります。

 

またそれは電動化と二酸化炭素削減に対するトヨタの取り組みを一層強化することになるでしょう。私たちは、この取り組みを経て、製造施設の継続的なエネルギー強化計画とサポート体制を、全米に向けてお示しできることを誇らしく思います。

 

2021年、トヨタは豊田通商と提携し、バッテリー生産と1,750人の新規雇用創出のために12億9000万ドルの初期投資を伴うリバティの新拠点を発表しましたが、今発表により、トヨタ・ノースカロライナは、北米に於ける自社のリチウムイオン電池生産の中心地としての地位を固めることになるからです。

 

その具体的規模はキャンパス全域に及ぶ総面積で 700万平方フィートとなり、これはサッカー場121面分のバッテリー生産に相当するものです」と語った。

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これを受けてノースカロライナ州知事のロイ・クーパー氏は、「最近の東京訪問や佐藤社長との会談など、ここ数年間の関係構築を通じて、トヨタとのパートナーシップはこれまで以上に強まり、今回の歴史的な発表で最高潮に達しました。

 

ノースカロライナ州のクリーンエネルギー経済への移行は、今後数十年にわたり私たちの家族や地域社会を支えるものとなり、将来に於いて、より高賃金の仕事を、当地にもたらすことになることへ期待を寄せています。

 

また今年トヨタは、セントラル・アッシュボロとグリーンズボロのボーイズ&ガールズ・クラブ、トライアドのジュニア・アチーブメント、シフトエド、トライアドのボランティア・センターに総額20万ドルの寄付を発表しました。

 

昨年にも同社は、ランドルフ郡およびノー​​スカロライナ農工州立大学のコミュニティに登録しているノースカロライナ州の学生に100万ドルを投資すると発表しています。

 

このようにトヨタは、地元の非営利団体や教育活動を支援することで、町一番の企業になるという約束を堅持し続けています」とコメントした。

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加えてフィル・バーガー上院議員は、「トヨタのノースカロライナ州での最近の事業拡大は米国に於ける記念碑的な取り組みになるでしょう。

 

雇用の増加と設備投資の増加は、トライアドと農村地域がハイテク製造を支援する用意ができていることの証拠です。

 

私はトヨタの州に対する献身に感謝しており、トヨタが今後も成長し、熱心に当地の市民を雇用し続けて行く様子を見て、来るべき当地の将来の成長を愉しみにしています」とコメントした。

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最後にティム・ムーア下院議長は、「トヨタがここノースカロライナ州の最新の北米施設に80億ドル近くの追加投資を行うという本日の発表は、ビジネスとイノベーションに重きを置くノースカロライナ州の努力に敬意を示しつつ、未来の発展を支えてくれるものです。

 

またこうした投資を経てトヨタ自身が勝ち取ったこれまでの成功は、バランスの取れた行政予算の組立、強力な労働力、AAAの信用格付けを得た当地が、どのようにして成長への道を切り開くことができるかを示す好例です。同社のノースカロライナ州への追加投資は、トヨタの経営が正しい軌道に乗っていることを示す表れでもあります」と述べた。

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対して、これまで2,460万台以上のハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車、バッテリー電気自動車を世界中で走行させてきたトヨタは常に、2025年までに世界中のトヨタとレクサスのすべてのモデルに電動オプションを提供する予定であることを世界に向けて示してきた。

 

その確かな足跡を踏まえてトヨタは、「2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、世界の様々なエネルギー事情を踏まえて、〝誰ひとり取り残さない〟〝すべての人に移動の自由をお届けしたい〟と考えています。

 

当社はBEVやPHEVをはじめとする、マルチパスウェイを軸に、今後も多様な選択肢でCO2の着実な削減に取り組んでまいります」と結んでいる。

 

なお以下は、これまでにトヨタが発表した電池関連の投資となる(過去の企業リリース)

 

2021年10月米国で2030年までに車載用電池の現地生産に約34億ドル(うちTBMNCへ約12.9億ドル)を投資

 

2021年12月米国での車載用電池工場の建設地をノースカロライナ州に決定

 

2021年12月BEV戦略に関する説明会にて、2030年までに、電動車開発を含み8兆円を投資すると公表

 

2022年8月日米での車載用電池生産に最大7,300億円(うちTBMNCへ約25億ドル)を投資

 

2023年5月決算発表にて、2030年までのBEVと電池への投資額を、5兆円に拡大すると公表

 

2023年6月米国の電池工場TBMNCに、約21億ドルを追加投資

 

2023年10月LGESと、米国でBEV用電池の長期供給契約を締結

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。