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2024年1月18日【CASE】

米IAC、次世代自動運転車プラットフォームAV-24発表

坂上 賢治

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Indy Autonomous Challenge

AIによる完全自律形式で走るオープンホイールのレーシングカー(フォーミュラ・レーシングマシン)開発を手掛けるIAC(Indy Autonomous Challenge/インディ ・オートノマス・チャレンジ) は1月8日(米国ネバダ州ラスベガス)、CES2024の開催会場に於いて、次世代の自動運転車プラットフォームの「IAC AV-24」を発表。自動運転技術に於ける新たな時代の到来を宣言した。

 

この自律型ハードウェア+ソフトウェア技術を融合させた「IAC AV-24」は、時速190マイルを超える速度域で車両を完全制御するAIドライバーシステムを実現。世界最速を誇る自律型レースカーのパフォーマンスを、更なる高みに押し上げたと謳っている。

 

IACのエンジニアリングチームは、昨年来より自律型ハードウェア並びにソフトウェアの技術開発に協力する参画企業(ブリヂストン、Cisco、Continental、dSPACE、Luminar、Marelli、New Eagle、NI、VectorNav等)と共に、今回の最先端のロボット システムの完成に取り組んだという。

 

結果、過去3年間・7,000マイルを超える実証走行を経て、世界最速の自律型レースカーを成立させた上に、同システムは既に特定のシャーシにのみ依存することなく、複数のプラットフォーム上でシステムが柔軟に作動するようになった。

 

 

その実力について、これまでIACを主導してきたポール・ミッチェル氏は、「我々は自動運転システムを搭載したレーシングカーが、生身のドライバーに頼ること無く、自動車レースというある種の極限状態下で、ライバル達と正々堂々と競い合えることを証明する。そんな途方もない目標に取り組んできました。

 

そうしたなか先代システムのAV-21では、数々の自動レースの記録更新を樹立してきましたが、その一方で、現行システムに於ける幾つかの限界も発掘してきた足跡でもありました。

 

そして今回、リリースした次世代システムのIAC AV-24は、AI技術の可能性を最大限に引き出し、過去の人間のドライバーによるモータースポーツの歴史のみならず、これまでの自動運転技術上の短い歴史に於いても、成しえなかった新たな限界を切り拓くものとなりました。

 

そんなIACは、モデルベース開発領域で商用パートナーのdSPACEとの連携を始動させ、高精度なソフトウェアインザループ (SIL) の開発に着手しています。

 

具体的には、このIACとdSPACEのパートナーシップを踏まえてSIMPHERAソフトウェアを活用したレーストラックのデジタルツイン化を構築。IACへの参加を希望する新規チームは、このデジタルツイン環境下でIAC AV-24レースカーを試して、そのパフォーマンスを精緻に検証できるようになります」と述べた。

 

Indy Autonomous Challenge

 

またdSPACEのカーステン・ホフCEOは、「未来を見据えIACは、2024年のレース・スケジュールを発表しました。これには2024年9月6日の歴史あるインディアナポリス・モーター・スピードウェイが復帰することも含まれています。

 

加えて今年IACは、再びミラノモンツァモーター ショー (MIMO) との提携も結んでイタリアモンツァのF1サーキットの地を踏みます。去る2023年に6台の自動運転レースカーをMIMOのタイムトライアル競技会で走らせた実績を踏まえ、IACはヨーロッパ最古のレーシング サーキットであるモンツァF1サーキットを舞台に自動運転レースの限界を突破させていく覚悟です」と話している。

 

Indy Autonomous Challenge

 

更にIEDC(インディアナ経済開発公社)でエグゼクティブバイスプレジデントを務めるサレナ・スカルディナ氏は、「IEDCは、世界中から優秀な人材を集め、インディアナ州に自動車技術のエコシステムを構築しています。

 

私たちの州は、先の技術のエコシステムと高品質な労働力を支えており、自動運転を筆頭に将来を見据えた産業が繁栄するための最適な場所となっています。

 

そうしたなかでIACがインディアナポリス・モーター・スピードウェイに戻ってくることは、インディアナ州が自動運転技術領域でのリーダーシップを継続し、当地が技術革新の世界的な発信拠点であり続けることを示しています」と語っている。

 

最後にIACは、今年グッドウッドとのパートナーシップ関係も拡大させて、グッドウッド フェスティバル オブ スピード (FOS) で、新しい取り組みとなるFOS Techの最初のパートナーにもなった。このコラボレーション関係には、今年 7月11~ 14日に開催されるグッドウッド フェスティバル オブ スピードへのIACの参加が含まれているという。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。