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2020年11月4日【ESG】

ボルボトラックス、大手食料小売と輸送時のCO2低減に取り組む

坂上 賢治

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 ボルボトラックス(瑞典)は11月4日(欧州中央時間)、自国内有数の食料品小売ICA(イーカ)スウェーデンと協力。輸送時のCO2削減での取り組みを公表した。(坂上 賢治)

 

ちなみにICAスウェーデンは1938年創業。同国内東部・ストックホルム県ソルナに本部を置く北欧最大手の小売グループ(ナスダック・ストックホルム上場企業)である。

 

そんな同社は、主にバルト三国で事業を行っており、2015年からは保険事業にも進出。本業の小売事業ではスウェーデン国内に約1300の店舗を張り巡らし、約36%の国内シェアを有している。

 

 

またこのICAスウェーデンは、独立した小売業者間の連携によるいわゆるエコシステムによって成り立ち運営されており、それゆえに日用品を取り扱うコンビニエンス型店舗や、居住区や職場近くの中規模スーパーマーケット形態など地域需要に合わせて店舗コンセプトや供給商品のオファーを調整することができるという弾力性のある事業形態であることが大きな特徴だ。

 

 現在、ICAスウェーデンとボルボトラックスの両社は現在、都市間に於ける重量物輸送から発生する二酸化炭素排出量を削減させていくためにバイオガスで走るボルボトラックを使用中だ。

 

 

ここまでに至る経緯で最初のステップになったのは、両社が協力して輸送区間の詳細と積み卸しフローを分析。この分析データを基に電気自動車で輸送可能なルートを見つけ出す事から始まった。

 

ICAスウェーデンのCEOであるアンダース・スベンソン氏は、「私たちは商品輸送の環境への影響を減らすという重要な責任を負っています。

 

そうしたなかボルボトラックスとの協力により、輸送時のCO2排出量を削減していくペースを着実に上げていくことができています。これはICAの持続可能性ポリシーに完全に一致しています。

 

 

私たちの協力は、市内中心部の輸送パートだけでなく、都市間のより長いルートに於いても幅広く国内の道路輸送の範囲をフルカバーしています。

 

ICAスウェーデンとボルボトラックスは、既存の技術を活用しつつ、新しい技術も共同で取り組んでいくことにより、今はEVによる輸送ソリューションの基盤を築くために協力し合っています」と話す。

 

 

 一方、ボルボトラックスのロジャーアルム社長は、「我々は、綿密な協力体制を背景に、効率的かつ炭素エネルギーを消費しない輸送ソリューションの導入を目指しています。またこの取り組みを今後はよりスピードアップしていくつもりです。

 

今後も両社の協力により、EVトラックが大規模な輸送フローを経て、都市内の小口輸送に至る全域に於いて二酸化炭素排出量を迅速かつ、確実に削減する方法について取り組んでいきます。

 

そんな両社が掲げる目標は、遅くとも2030年までに完全にCO2フリーの道路輸送システムを持つことにあります。

 

 

そもそもボルボトラックスは2019年以来、都市内の店舗配送を目的にピュアEVトラックを製造・販売し、実用に供してきました。我々はビジネス分野で環境負荷削減に取り組んできた豊富な経験があります。

 

未来に向けた両社の取り組みは、これからも長期的に、他の事業・業態・分野に拡大していき、北欧に於ける商品輸送の世界に対して積極的に貢献していくことができると信じています」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。