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2024年5月21日【MaaS】

ヤマトHD、共同輸配送オープンプラットフォームで新会社

坂上 賢治

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ヤマトホールディングスは5月21日、持続可能なサプライチェーンの構築に向け、荷主企業や物流事業者を繋ぐ、共同輸配送のオープンプラットフォームを提供する新会社「SST(Sustainable Shared Transport株式会社)」を同日で設立した。SSTの事業開始は、2024年度中を予定している。

 

1.新会社設立の目的と背景
物流業界は、輸送能力の不足が懸念される「物流の2024年問題」や気候変動への対応など、深刻化する様々な課題に直面している。

 

物流は国民生活や経済活動を支える社会的インフラとして、更なる効率化に向け大きな変革を迫られている。しかし、業種・業界毎にシステムや規格、商慣習などが異なるため、一部の荷主企業や物流事業者のみの取り組みでは限界がある。

 

そうしたなかでヤマトグループは、企業間の垣根を超えた「共同輸配送」による物流効率化に向け、荷主企業や物流事業者など多様なステークホルダーが参画できる共同輸配送のオープンプラットフォームを提供するための新会社を設立した。

 

以降は、ヤマトグループが宅急便で培った約160万社の法人顧客や、4,000社以上の物流事業者とのパートナーシップ、輸配送ネットワーク・オペレーション構築のノウハウを生かし、安定した輸送力の確保と環境に配慮した持続可能なサプライチェーンの構築を目指す。

 

 

2.SSTの概要

  • 会社名 :
    Sustainable Shared Transport(サステナブル シェアード トランスポート)株式会社(英文表記:Sustainable Shared Transport Inc.)
  • 所在地 :東京都中央区銀座2-16-10
  • 資本金 :3億5,000万円
  • 設立日 :2024年5月21日
  • 代表者 :代表取締役社長 髙野 茂幸(たかの しげゆき)
  • 事業内容 :
    ・標準パレットを中心とした輸配送サービスの提供
    ・共同輸配送のオープンプラットフォームの管理・運用など
  • 株主構成 :ヤマトホールディングス株式会社100%

 

3.SSTの事業概要

(3-1)共同輸配送のオープンプラットフォームの提供

  • プラットフォーム上で、荷主企業の出荷計画・荷姿・荷物量などの情報と、物流事業者の運行計画などの情報を繋ぎ、需要と供給に合わせた物流のマッチングを行う。

 

  • 輸配送はヤマトグループに限らず、リソース情報を登録した物流事業者が担う。

 

  • プラットフォームの基盤システムは、SIPの「物流・商流データ基盤」を構築した富士通と共同で構築を進め、2024年冬頃の利用開始を予定。

 

  • 同業他社からの閲覧や、外部からのアクセス制限などで、安心・安全で円滑な共同輸配送を実現する。

 

(3-2)持続可能な地域物流網の構築

  • 地域の複数の物流網を集約する共同輸配送を実行する。

 

  • 従来、低積載・長時間労働で幹線輸送を担っていた地域の物流事業者が、効率的に複数社の域内配送(集荷)を担うことで、積載率および稼働率を向上させ、地域内での持続可能な物流を構築する。

 

(3-3)高積載で安定した輸配送サービスの提供

  • 「標準パレットの使用」、「定時運行」、「セミトレーラーやダブル連結トラックなどの高積載車両の活用」により、高積載で安定した運行を行う。

 

  • また中継拠点を介した輸送を行うことでドライバーの負担を軽減し、稼働率を向上させる。

 

  • 2024年度は東京・名古屋・大阪間で1日40線便を運行予定。

 

想定される効果

  • ・持続的で安定した輸送手段の確保:1日80線便の運行(2025年度末)
  • ・GHG排出量の低減:削減率42.2%(2025年度末)※2
  • ・ドライバーなどの労働環境、処遇の改善:省人化率65.1%(2025年度末)※3
    ※2 2025年度末1日80線便運行時の排出量を基に、改良トンキロ法にて試算
    ※3 2025年度末1日80線便運行時の輸送量を基に、年間運転時間を試算

SSTの目指す姿

4.今後について

  • SSTでは2024年度中に第三者割当増資を予定しており、荷主企業や物流事業者に限らず幅広いステークホルダーから出資を募る。

 

  • 公益性の高いオープンプラットフォームを構築し、様々な荷主企業や物流事業者に利用して貰えるよう事業拡大を目指す。

 

【問い合わせ先】
<法人>
Sustainable Shared Transport株式会社
TEL:03-3248-5900 電話受付時間:9:00-17:00(土日祝日を除く)
MAIL:contact@sustainable-shared-transport.co.jp
URL:https://sustainable-shared-transport.co.jp/

 

【参考】
ヤマトグループ中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」を策定
URL:https://www.yamato-hd.co.jp/news/2023/newsrelease_20240205_2.html

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。