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2024年4月18日【ESG】

BASF、蓄電池リサイクル・金属精錬工場の実証稼働開始

坂上 賢治

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独BASFは4月17日(ドイツ発)、自国のシュヴァルツハイデで、電池リサイクル用の金属精錬プロトタイプ工場の稼働を開始した。この最先端の工場では、運用手順の開発と革新的な電池リサイクルテクノロジーの最適化が可能で、使用済みリチウムイオン電池と電池製造時に工場で発生するスクラップを処理する。

 

これにより、スケールアップの際に、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、銅などの貴重な金属の最適な回収が容易にできるようになった。シュヴァルツハイデの金属精錬プロトタイプ工場は、欧州初の電池材料生産と電池リサイクルの併設センター建設へのマイルストーンの一つ。

 

この工場は、BASFの既存の正極材工場と、今年後半に稼働予定のブラックマス生産用の電池リサイクル工場を補完するもの。

 

BASFは、貴重な電池原料の供給を確保することの戦略的な重要性を認識しており、欧州での自給率を高め、欧州バッテリー規則を遵守するために、高価な金属の回収に取り組んでいる。また、リサイクルされた金属のカーボンフットプリントは大幅に低くなるため、電池のリサイクルによって電気自動車のサステナビリティが向上する。

 

BASFの触媒事業本部のプレジデントで、電池材料と電池リサイクル事業の責任者でもあるダニエル・シェーンフェルダー氏は、「電気自動車市場の急速な成長が予想される中、電池リサイクルによって、競争力を保ちつつ持続可能な形で重要な金属を供給できるようになります。

 

私たちは抽出された金属を使用することで、電池のバリューチェーンにおける真の地域循環型経済を実現します。BASFは、今後数年のうちに欧州で商業規模の精錬工場を設立することを目標に、金属精錬技術のさらなる開発と規模の拡大に取り組んでいます。

 

これにより、BASFの欧州における事業基盤が強化されるだけでなく、使用済みバッテリーや電池製造時の工場発生スクラップに対する強力な回収ネットワーク、ブラックマス生産、そして電池材料生産が補完され、欧州における循環型エレクトロモビリティへの移行を加速し、持続可能な電池材料エコシステムの構築をサポートします」と説明している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。