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2023年2月15日【テクノロジー】

BMWとヴァレオ、レベル4の自動駐車機能で戦略提携

坂上 賢治

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BMWグループとヴァレオは2月14日(欧州時間)、次世代プラットフォーム「ノイエ・クラッセ」向けの自動バレーパーキング(AVP)機能の実現のためのADASドメインコントローラー、センサー、ソフトウェア技術の進化に向けて密接な協力体制を敷く事を公表した。

 

そんな開発技術の対象となるのは、自動運転の支援技術を出発点にレベル4水準の自動バレーパーキングにも関わるもの。それら機能の実現には、車載機器の技術水準の向上と高性能センサーの存在が欠かせないという。

 

そのため両社は、インフラストラクチャベースの自動駐車技術の開発についても共同で取り組み、公共駐車場施設など様々な環境下に応えられるべく取り組んでいく。なおこれらの自動駐車ソリューションの共同開発にあたっては、両社で100人を超える研究職や開発陣が携わる事になるとした。

 

その自動バレーパーキングとは、乗員とは完全に切り離されたドライバーレスの自動駐車技術だ。大型施設に於けるパーキング空間などの降車ゾーンで、ドライバーがクルマを降りると、その後は、車両が自律的に駐車スペースを見つけ、駐車場の出入りに必要な操舵やブレーキなどの操作を行ったり、自動で乗車ゾーンに戻って帰宅するオーナードライバーを迎えたりする。

 

未来社会では駐車場でクルマを留めるための無駄時間を浪費する事なく、自動車自体が自律的に、自動充電や自動洗車などの無人サービスを担う事が出来るようになる。またこのような機能は、これまでドライバーに課せられていた様々な手間を省く事になるため大きなメリットをもたらす。

 

そんな自動バレーパーキングも、未来のISO規格の草案によると、そのソリューションはタイプ 1とタイプ2の2つのカテゴリーに分類される。

 

このうちタイプ1の場合、必要な技術(全てのセンサー、コンピューティング ユニットとアルゴリズムを含む)は車両が自律的に実行するが、タイプ2の場合、必要な技術(センサーとAVP管理システムを含む)はインフラ側から提供され、この場合、車両は駐車場し施設などのインフラ側で制御されるようになるとしている。

 

今パートナーシップの開発環境では、AVPタイプ1とタイプ2の双方をサポート。市場や顧客の要件に応じてレベル4に至る次世代パーキング体験のための対応ソリューション開発を丁寧に手掛けていく構えだ。

 

いずれにしても自動バレーパーキング技術に係る基本的なソフトウェア環境は、2021年にBMW iX搭載の自動駐車ソフトウェアを基に取り組む事になる。但し今後は、アルゴリズム開発を強力にサポートするコンピューティングプラットフォームの力によって、当該機能は更に大幅に拡張される事になるとしている。

 

これについてBMWグループでドライビング エクスペリエンス担当のシニアバイスプレジデント職を務めるニコライ・マーティン氏は、「この共同開発はBMWグループにとっても、自動運転と自動バレーパーキングに関する次世代のプラットフォーム環境に関わる事になるため、それはとても重要なマイルストーンのひとつになるでしょう。

 

我々は、このレベル4段階の自動操舵技術により、更に主導的地位を固めて現在の立ち位置を強化する心構えです。そんなエンドユーザーのための新たなプラットフォーム技術を造るためには、最先端のソフトウェアとハードウェア環境。更にフリートデータに基づくエコシステムの力が必要となります。

 

今回の両社の戦略的強化策により、ヴァレオとBMWグループが長期に亘るパートナーシップ関係をより一層深めていく事になるでしょう。私たちは未来に向けて世界で通用する最先端技術を、今後も提供し続けていく事を目指し続けていきます」と語った。

 

対してヴァレオのコンフォート&ドライビング アシスタンスシステム開発でビジネス グループ・プレジデントを務めるマルク・ ヴレコー氏は、「これまで長きに亘るBMWグループとヴァレオの協力関係を心から誇りに思います。

 

今フェーズで自動バレーパーキング技術を共同開発する事を出発点に、BMWは逸早く量産車の世界でレベル4の自動運転技術の実現に近づくでしょう。

 

もちろん他の自動車メーカーも、我々のプラットフォーム環境に参加する事が可能であり、BMWは顧客が期待する直観的で快適なユーザーエクスペリエンスに関して、新たな世界基準を再設定する事にになるでしょう」と述べている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。