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2023年11月7日【ソフトウェア】

ホンダ、二輪車用クラッチ自動制御装置を世界初披露

坂上 賢治

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Honda E-Clutch

 

本田技研工業は11月7日、二輪車用有段式マニュアルトランスミッションのクラッチコントロールを自動制御することで、ライダーの手動によるクラッチレバー操作を不要とした「Honda E-Clutch(ホンダ イークラッチ)」を世界初披露した。

 

このHonda E-Clutchは、発進、変速、停止など、駆動力が変化するシーンで、ライダーのクラッチレバー操作を必要とせず、最適なクラッチコントロールを自動制御する。これによりライダーは違和感のないスムーズなシフト操作が行えるので、ライディングの楽しさに集中することができるという。

 

 

なお電子制御がクラッチコントロール中であっても、ライダーがクラッチレバー操作を行えば(クラッチレバーを握るだけ)、通常のマニュアルトランスミッション車と同様、手動によるクラッチコントロールを行えるようにして、ライダーの積極的なシフト操作にも幅広く対応する。

 

またHonda E-Clutchは、軽量コンパクトなシステムで構成されており、既存のエンジンレイアウトを大きく変更することなく車体に搭載できる。従って今後は趣味性の高い二輪車へも順次適用する予定としている。

 

Honda E-Clutchシステム概要イメージ

 

さてそんなHonda E-Clutchは、従来のマニュアルシングルクラッチ、マニュアルトランスミッション機構と同じ動力伝達機構を使用している。

 

 

具体的には、車体の状態(車速/エンジン回転/スロットル開度/ギアポジション/シフトペダル荷重検知など)に対応したエンジン協調制御機構(点火時期制御、燃料噴射制御など)とクラッチ協調制御を組み合わせる。

 

結果、ライダーの要求に応じた動作を電子制御にて行われる仕組み。またクラッチレバーによるクラッチ手動操作とモーターによるクラッチ制御が独立して作動できるようになっており、手動操作による強制介入を可能にして手動操作とモーターによるクラッチ制御の両立を実現した。

(映像説明)発進、変速、停止など駆動力が変化するシーンで、電子制御技術を駆使することにより最適なクラッチコントロールを瞬間的に細かく行い、ライダーのクラッチレバー操作不要でスムーズな発進、変速、停止を可能とした。

 

システム動作についてはON/OFFの2パターンから選択可能。システムON時は基本的にクラッチ操作を自動で制御し、ライダーがクラッチレバーを握ることで一時的に手動によるクラッチ操作に移行することができる。

 

一方、システムOFF時は、常時(発進時、変速時、停止時)ライダーによるクラッチレバーでのクラッチ操作が必要となる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。