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2023年3月14日【テクノロジー】

三菱電機、SiCパワー半導体の新工場棟を建設へ

坂上 賢治

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SiC 8インチウエハ新工場棟イメージ

 

従来計画から倍増、パワーデバイス事業へ2,600億円を投資

 

三菱電機株式会社は3月14日、SiC( Silicon Carbide / 炭化ケイ素 )パワー半導体の生産体制強化に向けた新工場棟の建設をはじめ、パワーデバイス事業に於ける2021年度から2025年度までの累計設備投資を、当初は約1,300億円としていた従来計画から投資額を倍増させて、約2,600億円とする事を発表した。

 

同社は2010年8月のエアコン向けや、2013年3月の高速鉄道車両向けなど、いずれも世界初となるSiCパワーモジュールを提供。家電、産業機器、鉄道車両分野でSiCパワーモジュールの市場をリードしながら、長年に亘ってスクリーニング技術などの高性能・高信頼性の作り込み技術を蓄積して来た。

 

しかし近年、脱炭素社会の実現に向けた世界的な省エネ志向が高まっており、特にSiCパワー半導体は、電気自動車向け需要の拡大に伴い急速な市場拡大が見込まれ、更に低損失・高温度動作・高速スイッチング動作等が求められる様々な応用分野に於いても更なる市場の広がりが見込まれる等、GX( Green Transformation )実現への貢献が期待されている。

 

そこで同社は今回、この市場拡大に対応するため、SiCウエハについて約1,000億円を投資して新工場棟の建設と設備増強を実施する。

 

この新工場棟は、熊本県泗水地区に有する拠点を活用し、大口径化( 8インチ )に対応すると共に、最先端の省エネ性能を有するクリーンルームを導入し、徹底した自動化によって高い生産効率を実現させていく。

 

また市場の旺盛な需要に対応するため6インチウエハ製品の生産設備も増強して事業拡大を目指す。

 

加えてこの他、約100億円を投資してパワー半導体の後工程の新工場棟を福岡地区に建設し、同地区内に点在する組み立て・検査工程を集約。設計・開発から生産技術検証までを一貫して行う体制を構築して製品開発力を向上させて、市場ニーズに合わせた製品のタイムリーな量産化を実現させると話している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。