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2023年7月7日【エネルギー】

モレックス、BMWからEV蓄電池セル触媒システムを受注

坂上 賢治

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モレックスは米中西部(イリノイ州デュページ郡ライル)時間の7月6日、独・BMWグループより、米国当地の生産車両向けの自社の次世代EV向けバッテリーセル触媒システム(Volfinityセルコンタクティングシステム)が採択されたと発表した。

 

モレックスによると2018年に開発された当該のVolfinityセルコンタクティングシステムは、EVに搭載されるバッテリーモジュール内のセルを制御基盤に接続するインターフェイス・ソリューションだとしており、それは実装が容易で、かつデイジーチェーン配線の必要性を排除することが出来るとされている。

 

またこのソリューションは、統合されたセルセンシング機能、セルのモニタリングおよびバランシング要件、温度測定機能などの要求基準をクリア。BMWグループが求める安全要件の全て満たすよう設計されているという。

 

但し同発表には、BMWグループとの契約数量や財務詳細に関する情報は含まれていない。また、どのモデルで当該の接触システムが使用されるかについても言及されていないが、BMWは車両工場からほど近いウッドラフに高電圧バッテリーの組立工場を建設していることから、おそらく同バッテリーセル触媒システムは、サウスカロライナ州スパータンバーグの米BMW工場へ納入されるものとみられる。

 

モレックスのマイクロソリューションビジネスユニットを担当するバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのスティーブ・ドライスデール氏は、「セルコンタクティングシステムでのアワード受賞など、モレックスがEVの蓄電池領域で競合他社との比較優位性を持ち、BMWグループからの要求に応えられるだけの実力を持っていることを今回の受注で証明することが出来ました。

 

なお当該システムでは、接触システムのコンポーネントを所定の位置に保持する軽量で絶縁性の高いプラスチックトレイで構成されています。

 

中央の銅バスバーがプラスチックトレイを貫通しており、そこから個々のアダプター プレートがそれぞれのセルに分岐します。またバスバーの設計は、各セルの個別のケーブルを置き換えることを目的としています。

 

これはバッテリーモジュールの高さと重量を大幅に増加させないことを目的としており、更にVolfinityセルコンタクティングシステム自体は、角形セルと円筒形セルの両方と互換性があります。

 

これからも我々グローバルチームは、BMWグループとの協力体制のもとVolfinityセルコンタクティングシステムの技術水準を更に高めることも踏まえて、今後も求められる多様な要請を満たしていくべく尽力します。

 

そもそもこのようなBMWグループとの技術要件に係る挑戦は、未来に向けて革新的な技術革新を生み出すことに繋がります。我々は同社の技術領域に於ける真のパートナーとして、今後、彼らに役立っていくこと自体が大きな励みとなります」と述べた。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。