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2023年9月19日【ソフトウェア】

ナウト、AI安全運行プラットフォームに眠気検知機能を搭載

坂上 賢治

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Nauto Japan(ナウト)は9月19日、現在販売中のAI搭載安全運行管理プラットフォーム「ナウト」のソフトウェアを9月下旬より順次アップデートし、居眠り運転の前段階である「眠気」を検知、警告する機能を追加する。

 

このナウトは、2015年3月に米シリコンバレーでNauto, Inc.として設立され、最先端の予測AI(人工知能)で、商用車の危険運転及び交通事故を防止するソリューションを提供。

 

急制動やあおり運転などの車両挙動を検出するだけでなく、わき見、居眠り、ながらスマホなどドライバーの危険行為にもリアルタイムで警告。さらには独自の採点基準で運転を「見える化」し、運転行動そのものの改善に貢献するとしている。

 

 

ナウトのAIは、35億kmを超える実走行データ(2023年9月現在)とディープラーニング(深層学習)によって進化し続け、米Forbes誌による2022年度版「AI 50」に選出された。一方で日本では、2018年8月の発売開始以降、600社以上で導入されたという。

 

そんなナウトによると2017年のローンチ当初(日本国内では2018年8月)から、わき見運転、居眠り運転を検知・警告することで交通事故を未然に防いできた。今回は、ソフトウェアアップデートを介してAIに新たな検知アルゴリズムを追加。「居眠り」になってしまう前の「眠気」の段階から検知、警告が可能になると謳っている。

 

同社による具体的な説明では、眠気の検知には様々な方法が提案されているが、特に瞼(まぶた)の動きに注目し、PERCLOS(一定時間における閉眼時間の割合)、瞼開度、瞬きの速度、閉眼時間などを常時モニタリング。眠気とみなされる状態が30秒以上続いた場合にリアルタイムで警告音を鳴らし、居眠り運転に至る前に早めの対応を促すとしている。

 

 

このアップデートに関してナウトの赤井祐記代表執行役員社長は、「近年たびたびメディアに取り上げられていますが、日本は世界の中でも睡眠時間が短く、睡眠不足大国と揶揄されることもあります。

 

先日発表されたフィリップスによる調査( 睡眠に関する調査2023 )では、89%もの人が日中に眠気を感じると回答しており、そのせいで運転中に危ない思いをしたり、実際に交通事故を起こしてしまった人も多いようです。

 

居眠り運転は、これまでもナウトで検知できましたが、居眠り運転時の事故は、回避行動を取る間もなく衝突してしまうため重大な事故になりやすく、実際に居眠りをし始めてから警告するのでは遅いのではないかという思いがありました。

 

この度のアップデートで追加される眠気検知機能は、既に米国で多くの事故を未然に防いでおり、これを日本のお客様にもご利用頂けるようになることを大変喜ばしく思います。ナウトが目指す、誰にとっても安全、安心なモビリティ社会に向けて、また一歩前進できたのではないでしょうか」と述べている。

 

ソフトウェアアップデートの概要は以下の通り
提供時期:2023年9月下旬
対象商品:2020年6月に出荷開始されたハードウェアバージョンN3以降のナウト車載機
更新費用:無償
更新方法:ナウト車載機のOTAアップデート機能により自動的に適用。更新の具体的なタイミングは、各車載機の稼働状況により異なる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。