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2023年4月26日【エネルギー】

ノースボルト、電動航空機の蓄電池製品の開発に成功

坂上 賢治

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Northvolt Cuberg 20Ahリチウム金属パウチセル

 

2016年に設立したスウェーデン・ストックホルムのバッテリー開発メーカーNorthvolt AG( ノースボルト社 )と、その傘下の次世代リチウムイオン電池開発のスタートアップCuberg( キューバーグ/カリフォルニア州 サン・レアンドロ )は4月25日( 欧州・北欧時 )、高密度のリチウム金属電池技術を用いた電気航空機向けの新たなバッテリーを発表した。

 

それによるとCubergは、エネルギー密度405Wh/kgの次世代20Ahの商用リチウム金属パウチセルを開発。現在はその出荷を含めて、モジュールの設計並びに製造工程。更に受動伝搬抵抗の達成など、重要なマイルストーンを既に達成していると謳っている。

 

Northvoltのピーター・カールソン(Peter Carlsson )CEO兼共同創設者は、「当社の航空システム・プログラムでは、Cubergの次世代リチウム金属セル技術とバッテリー製造の経験を活用し、電動航空機の世界でエンド・ツー・エンドのエネルギーソリューションを提供します。

 

我々は2022年7月に、リチウム金属セル技術に関する検証済み性能データを公開して以来、特に子会社のCubergは完全なバッテリーシステムの構築に向けて大きな進歩を遂げました。

 

併せてCubergは、280 Wh/kgで320Wh/Lのエネルギー密度を持つ20Ahリチウム金属セルをベースにした航空機向けセルの製造を開始しています」と述べた。

 

一方、Cubergのリチャード・ワン( Richard Wang )CEO兼創設者は、「航空機の性能を大幅に向上させるバッテリーシステムの構築で、信頼できるエンド・ツー・エンドのソリューションの提供が可能になりました。

 

我々Cubergの技術は、リチウム金属アノードと独自の液体電解質を使用して、バッテリーの性能の確保と製造上の課題を同時に解決しました。

 

リチウムイオンなどの既存のバッテリー技術は、航空機で使用するには重すぎて性能が低いケースがありますが、我々のバッテリーセルは軽量で高性能です。この技術は業界標準の製造方法とも互換性があり、バリューのサプライチェーン全体でも高いスケーラビリティ、信頼性、トレーサビリティを実現しています」と話している。

 

なおNorthvoltは、現在110ヵ国を超える多様国籍を持つ4,500人超の従業員を抱えるまでに成長。同社は現在までにBMW、Fluence、Scania、Volkswagen、Volvo Cars、Polestarなどの主要顧客から550億ドル以上の契約を獲得している。今後、全ての原材料要件のうち50パーセントをリサイクル可能素材で提供し、更に2030 年までに100パーセント再生電池の製造を目指している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。